国際まんが博

国際まんが博 in 鳥取：まんが王国建国元年を飾る一大イベント

2012年8月4日から11月25日にかけて、鳥取県を舞台に開催された「国際まんが博」。このイベントは、漫画をテーマにした一大イベントとして、地域を盛り上げる大きな役割を果たしました。水木しげる、谷口ジロー、青山剛昌といった著名な漫画家を数多く輩出している鳥取県は、かねてより「まんが王国」としての地域ブランド化を目指していました。

「まんが王国とっとり」建国と国際まんが博の開催

2007年から観光パンフレットに「まんが王国」という文言を使用し始めた鳥取県は、2009年からはマンガサミットの誘致活動を積極的に展開。そして、第13回国際まんがサミットが開催される2012年を「まんが王国とっとり」の建国元年と位置づけ、県庁内に「まんが王国官房」を設置しました。この国際まんが博の開催や大規模なPR展開には、県の年間観光予算の約三分の一にあたる10億4800万円もの巨額な予算が投じられました。

イベントの企画・運営は、株式会社トレードマーク鳥取を幹事社とし、電通や新[[日本海新聞社]]、山陰放送、ジェイアール西日本コミュニケーションズなど、地元企業を中心とした共同企業体が担当しました。PR活動においては、女性5人・男性2人で構成された「バードプリンセス」が結成され、ラジオ番組に出演するなど広報活動を積極的に行いました。この「バードプリンセス」の雇用費には、東日本大震災の震災等緊急雇用対応事業予算が活用されています。

また、「まんが王国とっとり応援ソング」の募集企画も行われ、「鳥取県応援ソングプロジェクト」で使用された楽曲を含む応募作品の中から、YouTubeの再生回数を基に『まんが王国とっとり国歌』が選ばれました。さらに、鳥取ふるさと大使を務めるモデルのトリンドル玲奈さんが「トットリンドル王女」に就任し、開会式に参加するなど、イベントを大いに盛り上げました。

県内3か所を常設拠点として様々なイベントを開催

国際まんが博の開催期間中、鳥取県内には3つの常設拠点が設けられ、それぞれ特色のあるイベントが開催されました。

わらべ館（鳥取市）: 鳥取県出身の漫画家を紹介するコーナーが開設されました。
青山剛昌ふるさと館（東伯郡北栄町）: 人気漫画『名探偵コナン』をテーマにした、由良宿のまち歩きラリーが開催されました。
* 水木しげるロードおよび水木しげる記念館（境港市）: 『ゲゲゲの鬼太郎』に関する様々なイベントが実施されました。

巡回展「とっとりまんがドリームワールド」

さらに、県内各地を巡回する「とっとりまんがドリームワールド」も開催されました。鳥取、倉吉、米子の各会場で、漫画の展示・販売、ワークショップ、複製原画展、海外漫画の紹介、「リロ・アンド・スティッチ」10周年記念展など、多彩な催しが行われました。米子会場では、期間中の週末を中心に、アニソンライブや声優トークショー、K-POPアーティストのライブなども開催され、多くの人々を魅了しました。

国際まんがサミット

国際まんが博の期間中には、第13回国際まんがサミットも開催されました。「食と海」をメインテーマに、「マンガと地域経済効果」をサブテーマとして、国内外の漫画家や関係者が集まり、様々な議論や交流が行われました。シンポジウムやフォーラム、文化庁メディア芸術祭の巡回展示、漫画家のサイン会やトークショー、キャラクターショーなど、盛りだくさんの内容で、漫画ファンのみならず、地域経済に関心のある人々にとっても有意義なイベントとなりました。

関連イベントとして、「とっとりアニカルまつり2012」や「ゆるキャラカップ in 鳥取砂丘」、「中華コスプレアジア大会」なども開催され、国際まんが博をさらに盛り上げました。

イベントの成果

国際まんが博は、多くの来場者を集め、大成功を収めました。まんがサミットには4万1040人、ドリームワールドには22万2497人、常設拠点や各地のイベントを含めると、総来場者数は約320万人に達しました。このイベントを通じて、鳥取県は「まんが王国」としての地位を確立し、地域経済の活性化にも大きく貢献しました。

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