国際スノーボード連盟

国際スノーボード連盟（ISF）とは

国際スノーボード連盟（International Snowboarding Federation、ISF）は、かつて存在したスノーボードの国際統括機関です。スノーボード競技を世界中でより多くの人々が楽しめるように、健全な普及と発展を目的として活動していました。ヨーロッパ、北アメリカ、アジア、南半球の代表が、それぞれの地域のスノーボード協会やプロ・アマチュアライダーを代表して意見を交換し、調整を行う場としての役割を担っていました。

しかし、ISFは2002年に解散し、その活動は世界スノーボード連盟（World Snowboard Federation）に引き継がれています。

ISFの概要

ISFは、一般的なスポーツ国際統括団体とは異なり、下部組織として国単位の団体や選手会を置いて政治的な方針を指示するようなことはしませんでした。その代わりに、下部団体からの意見を尊重し、国際的な場でそれらの意見を代弁し、調整することに特化した機関でした。この特徴は、多様な意見を吸い上げ、国際的な基盤を民主主義的な方法で構築するというISFの理念に基づいています。

ISFの沿革

1991年5月: スイスのチューリッヒでISFが発足し、アメリカ合衆国のコロラド州ベイルで法人組織化。
ヨーロッパ、日本、北アメリカの5カ国（PSA、JSBA、PSTA）が、「スノーボーダーによるスノーボーダーのためのスノーボード連盟」という理念のもと、世界的な協力関係をスタートさせました。これが初のスノーボード国際機関となりました。
1991年-1992年: このシーズン、各国からの登録ライダー数は433名、賞金総額はUS$345,000でした。
1992年-1993年: このシーズン、登録ライダー数は530名、賞金総額はUS$575,000に増加しました。
1993年1月: オーストリアのイシュグルで第1回ISFワールドチャンピオンシップが開催され、20カ国から246名が参加しました。
1993年9月: ISF ASIAが発足しました。
1993年-1994年: ISFワールドプロツアーが開催されました。このシーズン、登録ライダー数は2,591名、賞金総額はUS$935,000に増加しました。
1994年1月: スロベニアのログラでISFジュニアワールドチャンピオンシップが開催され、18カ国から13～18歳の選手246名が参加しました。
1994年-1995年: ISF South-Hemisphereが発足し、南半球（南アメリカ、オーストラリア、ニュージーランド）が新たなパートナーとして加わりました。このシーズン、1,016のイベントが開催され、登録ライダー数は4,809名、賞金総額はUS$1,100,000に達しました。
1995年: スイスのダボスで第2回ISFワールドチャンピオンシップが開催され、29カ国から260名が参加しました。
1995年2月: ポーランドのザコパネで第2回ISFジュニアワールドチャンピオンシップが開催され、23カ国から239名が参加しました。
1995年-1996年: このシーズン、1,174のイベントが開催され、登録ライダー数は6,614名、賞金総額はUS$1,340,000に増加しました。
1996年3月: 日本の石川県で第3回ISFジュニアワールドチャンピオンシップが開催され、27カ国から284名が参加しました。
1996年-1997年: このシーズン、1,523のイベントが開催され、登録ライダー数は10,293名、賞金総額はUS$1,450,000に増加しました。
1997年: アメリカのヘブンリーバレーで第2回ISFワールドチャンピオンシップが開催され、29カ国から260名が参加しました。フィンランドのルカで第4回ISFジュニアワールドチャンピオンシップが開催され、30カ国から305名が参加しました。
1997年-1998年: このシーズン、1,802のイベントが開催され、登録ライダー数は11,939名、賞金総額はUS$2,245,000に達しました。
1998年: スイスのグリンデルヴァルトで第5回ISFジュニアワールドチャンピオンシップが開催され、30カ国から400名が参加しました。
2002年6月22日: ISFは解散しました。理事会において、日本人とノルウェー人の理事2名が反対しましたが、アメリカ人理事3名の賛成により解散が決定しました。
2004年5月18日: ISF ASIAが解散しました。

ISFの組織

ISFは、ISFメディアネットワークヨーロッパ社、ISFワールドワイドを頂点とし、その下に各エリアのISFが組織されていました。各エリアISFは、各国・地域のスノーボード協会（NSA）、各エリアのプロ協会（PSA）、スノーボード産業団体、リゾート団体などで構成されていました。

各構成団体は年に一度「General Membership Meeting／General Assembly」会議を開き、新規団体の入会、理事提案、会長・副会長・事務・会計の選出、年度会計予算などについて議論し、各エリアにおける戦略・開発などを提案していました。

アジア、アメリカ、ヨーロッパ、南半球のエリアごとに選出された2名の理事（通常は国協会から1名、プロ協会から1名）は、年間を通して「Board of Directors」会議を開き、国際的に統括しなければならない戦略、方針、競技規程などについて検討・決定していました。具体的には、新規団体の受け入れ、委員会からの提案の決定、年間予定の確認、委員会長の選挙などが行われていました。

ISFには、政治、財務、広報、教育、市場調査、競技、技術、総務、旅行、ユースなど、様々な委員会が設置されていました。

ISFが開催した主な大会

ワールドチャンピオンシップ: 2年に1度開催される、世界最高峰の大会でした。
ジュニアワールドチャンピオンシップ: 毎年1回開催され、若手選手の育成に貢献しました。多くのトッププレイヤーがこの大会から輩出されています。
ワールドプロツアー: 賞金が授与されるプロ向けの国際大会で、PSAメンバーが参加できました。
マスターズワールドカップ: 各エリアで2大会まで開催され、ISFポイント上位者のみが参加できました。賞金総額は$10,000以上でした。

ISFは解散しましたが、その理念と活動は世界スノーボード連盟に引き継がれ、スノーボード競技の発展に貢献し続けています。

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