国際ツーリングカー選手権

国際ツーリングカー選手権（ITC）

国際ツーリングカー選手権（International Touringcar Championship、略称：ITC）は、1995年から1996年にかけて行われた国際自動車レースシリーズです。この選手権は、国際自動車連盟（FIA）の下で運営され、市販車を元にしたツーリングカーが使用されました。FIAクラス1の規定によるレースで、特に人気のあるドイツツーリングカー選手権（DTM）を基にして設定され、同選手権と並行して行われる形となりました。

選手権の背景

ITCは1995年にスタートし、翌1996年からは完全に統一されました。この際、メルセデス、アルファロメオ、オペルが公式に参加するワークスチームとして名を連ねました。ITCは、1988年のヨーロッパツーリングカー選手権（ETC）以来の復活となり、様々な自動車メーカーをご紹介する国際的なプラットフォームとして注目されました。

競技車両は派手な外観と高性能な走行性能を誇り、多くのファンを魅了しました。フロント部分は一体型のカウルが採用されるなど、高度な技術が集約されていました。また、四輪駆動（4WD）やABS（アンチロック・ブレーキ・システム）、トラクションコントロールといったハイテク装備が導入され、これまでのシルエットフォーミュラやプロトタイプカーに匹敵する性能が求められることになりました。しかし、これらの革新的な技術の導入に伴うコストの上昇が大きな問題となり、特にアルファロメオとオペルは1996年に撤退を発表しました。結果として、ITCも同年に終了することが決定されました。

日本での開催

1996年のシーズンでは、日本でのレースが計画されていました。具体的には、8月4日にTIサーキット英田（現・岡山国際サーキット）での開催が予定されていました。しかし、シリーズの知名度不足や日本車の不参加によってチケットの売上が思わしくなく、開催は直前にキャンセルされました。代わりに、11月10日に鈴鹿サーキットでレースが行われ、これがITCの最終戦となりました。日本ラウンドには、鈴木亜久里や関谷正徳、服部尚貴といった著名なドライバーがゲスト参加し、特別な意味を持つレースとなりました。

関連項目

ITCの歴史を通じて、モータースポーツの新たな側面を示す重要なイベントでした。また、ドイツツーリングカー選手権（DTM）とも密接に関連しており、現代のツーリングカーシリーズに多大な影響を与え続けています。さらに、本シリーズを題材としたレースゲームである「セガツーリングカーチャンピオンシップ」が人気を博しています。

ITCは短期間ではありましたが、ツーリングカーが国際的な舞台でその名を馳せる貴重な機会を提供し、今もなお多くのファンに覚えられています。

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