国際ビルヂング

国際ビルヂングについて

国際ビルヂングは、東京都千代田区丸の内三丁目に位置する複合建築物です。この建物は、オフィスと劇場という異なる機能が同居している点が特徴で、特に帝国劇場とは一体的な構造をしています。帝国劇場の部分は「帝劇ビル」とも呼ばれます。

歴史

1911年（明治44年）、日比谷濠に面した三菱地所の所有地に、東宝が建物を所有する形で帝国劇場が竣工しました。当初は演劇専用の劇場として長らく利用されましたが、1955年（昭和30年）からは映画館としても活用されていました。同じ区画には日本倶楽部と三菱地所所有の三菱仲3号館もあり、三菱地所は仲3号館の建替えを検討する中で、帝国劇場を含めた共同ビルの建設を視野に入れていました。

1960年（昭和35年）4月、三菱地所が東宝に共同ビル建設を打診したところ、東宝もこれに同意し、具体的な計画が動き始めました。帝劇別館のテナント移転交渉に約3年を費やした後、1963年（昭和38年）6月に東宝から三菱地所に土地が返還され、区画の半分が東宝に譲渡されました。その後、両者は共同でビルを建設し、それぞれの所有地に対応する部分を各自が所有するという合意に至りました。日本倶楽部との交渉は難航しましたが、最終的には新ビル内にフロアを所有することを条件に、1964年（昭和39年）3月に土地が返還されました。同年3月には旧帝劇の解体工事が始まり、4月10日には「帝劇改築工事」として地鎮祭が執り行われました。そして、1965年（昭和40年）9月に建物名称が「国際ビルヂング」と決定、1966年（昭和41年）9月13日に竣工しました。同年9月20日には、こけら落としとして「オール東宝スターオープニングフェスティバル」が開催され、帝国劇場が再び開館しました。

しかし、2022年（令和4年）9月27日、三菱地所は建物の老朽化を理由に、隣接する帝国劇場および帝劇ビルとともに再開発を行うことを決定し、2025年（令和7年）を目処に一時休館する予定となっています。

建築

国際ビルヂングは、機能的にも構造的にも異なるオフィスと劇場を一つの建物に収容するという難易度の高い条件で設計されました。オフィス部分は三菱地所、劇場部分は阿部事務所が担当し、建物外観と劇場内装は東京工業大学の谷口吉郎が連携して設計を行いました。外装は赤褐色を基調とし、黒と銀色をアクセントに用いることで、白亜の殿堂であった旧帝劇ビルとは対照的なデザインとなりました。東宝の要望により、帝国劇場は建物の南東の角に位置しています。1968年には第9回BCS賞、2000年にはBELCA賞ロングライフ部門を受賞しています。

テナント

竣工当初、三菱地所が所有するオフィス部分には、東京海上火災保険などの企業が入居していました。また、地下1階には2012年（平成24年）に「丸の内 タニタ食堂」がオープンしました。帝国劇場部分の9階には1966年（昭和41年）10月28日に出光美術館がオープンし、出光興産も4〜8階に本社を置いていました。出光興産は2020年（令和2年）12月21日に本社を大手町の「Otemachi Oneタワー」に移転しましたが、子会社のアポロリンクが2021年（令和3年）3月1日に移転してきました。劇場の詳細については、帝国劇場の項目を参照してください。

脚注

参照元：

三菱地所株式会社社史編纂室 編『丸の内百年の歩み 三菱地所社史下巻』三菱地所、1993年3月6日。

外部リンク

国際ビルヂング（三菱地所オフィス情報）
* 帝劇ビル（東宝不動産）

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