国際・開発研究大学院

ジュネーヴ国際・開発高等研究所（IHEID）について

国際・開発高等研究所、通称IHEIDは、スイス・ジュネーヴにある大学院大学として、国際関係や開発学に特化した教育機関です。1927年に設立され、スイス政府によって独立した研究機関として認定されています。IHEIDは、国際関係に関する博士課程を世界で初めて設置した大学院であり、教育の質の高さで知られています。

歴史と設立

IHEIDの起源は1927年に遡り、国際連盟における外交官と学者によって設立されました。創立者は、ウィリアム・ラパードとポール・マントーです。設立目的は、国際機関への有能な人材を育成することであり、学際的な教育を通じて歴史、法律、経済などの国際問題に関する深い理解を促進してきました。1985年までの数十年間はロックフェラー財団からの支援を受け、以降はスイス連邦とジュネーヴ州に支えられ、成長を続けています。

学問と教育

IHEIDは、国際関係論、国際法、国際経済学、開発研究などの多岐にわたる分野でプログラムを提供しています。修士課程には「国際関係学芸修士（MIA）」や「開発学芸修士（MDEV）」などがあり、学生は理論と実践の両面で学びを深めます。また、国際機関や二重学位プログラムを提供していることから、学生国際経験を積む機会が豊富です。特に、アイハーバード・ケネディスクールとの共同プログラムが特徴的です。

キャンパスと施設

IHEIDのメインキャンパスであるMaison de la paixは、2013年に開設され、先進的な設計の建物には図書館や研究センターが備わっています。このキャンパスは、ジュネーヴ国際機関と近接しており、国際的な研究機関との連携が容易になっています。また、教育施設のほかに、公園やリクリエーションエリアも整備され、学生が学ぶ環境を支えています。

卒業生とキャリア

IHEIDの修了生には、コフィー・アナン元国際連合事務総長をはじめ、多数のノーベル賞受賞者や国家元首、大使がいることで知られています。広範なネットワークと国際的な立地を生かし、多くの修了生が国際機関や政府機関、NGOで活躍しています。また、学生の約90%は国外からの留学生で、100以上の国籍が集まる多文化の環境で学びます。

研究活動

IHEIDは、国際社会の現代的な課題に取り組むため、様々な研究プログラムを実施しています。テーマには、紛争解決、開発政策、環境問題、国際法などがあり、学際的な研究を通じて実務的な政策提言も行われています。これにより学生たちは、学問的な理解だけでなく、実践的なスキルも養うことができます。

終わりに

国際・開発高等研究所（IHEID）は、学術界と国際社会との架け橋として、質の高い教育と研究を通じて、今後も国際関係の深化に貢献していくことが期待されている機関です。

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