国際反戦デー

国際反戦デー

国際反戦デーは、1966年に日本で制定された記念日であり、毎年10月21日に実施されます。この日は、ベトナム戦争への反対運動の高まりを背景に、労働組合が中心となってストライキやデモなどの活動を展開した日として知られています。「国際」という名称がついていますが、これは日本独自の記念日です。

歴史的背景

1966年、日本労働組合総評議会（総評）が「ベトナム反戦統一スト」を10月21日に実施しました。このストライキは、ベトナム戦争への反対を訴えるとともに、世界各国の反戦運動団体にも連帯を呼びかけるものでした。フランスの哲学者ジャン＝ポール・サルトルは、総評の行動を「世界の労働組合で初めてのベトナム反戦スト」と称賛しました。翌1967年には、アメリカのワシントンD.C.で10万人を超える大規模なベトナム戦争反対デモ（「ペンタゴン大行進」）が行われ、日本や西ヨーロッパでも同様の反戦運動が展開されました。

1968年には、新左翼による新宿騒乱が発生するなど、社会的な混乱が広がりました。翌1969年にも、10月21日の国際反戦デーに合わせて、新宿などで大規模な闘争が発生しました。これらの出来事は、当時の社会情勢を反映するものであり、反戦運動と政治運動が深く結びついていたことを示しています。

ベトナム戦争や安保闘争、東西冷戦の終結後も、一部の反戦運動や左翼団体によって、毎年、国際反戦デーを記念する集会やデモが行われています。また、1943年の同日には、明治神宮外苑で学徒出陣壮行会が行われたという歴史的な背景も存在します。

年表

1966年10月21日：総評がベトナム反戦ストを実施。約211万人がストライキに参加し、各界の知識人や世界各国の労働組合から支持や連帯のメッセージが寄せられる。この日を「10・21国際反戦デー」とする。
1968年10月21日：約76万人がストライキに参加、全国各地で集会やデモが行われる。新宿騒乱が発生し、多くの逮捕者が出る。
1969年10月21日：日本社会党と日本共産党が条件付きで共闘し、全国で統一行動を実施。各地でゲリラ活動や機動隊との衝突が発生し、多くの逮捕者が出る。東京都内ではデモ隊が暴徒化し、死者も出る。
1970年10月21日：社会党と共産党が共闘し、全国で集会を開催。「公害追放」のスローガンが初めて登場。全国全共闘やべ平連なども集会を開催。
1971年10月21日：全国で集会が開催され、多くの団体が参加。それぞれが独自の集会を開催し、参加者の合計は150万人に達する。
1972年10月21日：全国各地で集会が開催される。新左翼各派も参加。
1973年10月21日：全国統一行動として、横田基地での集会や三沢基地包囲などが行われる。都内でもデモが発生。
1974年10月21日：核持ち込み糾弾やフォード大統領の来日反対を訴える全国統一行動が展開される。
1975年10月21日：第10回国際反戦デー。公明党が参加を取りやめる。全国各地で集会が開かれ、140万人が参加。
1976年10月21日：全国で集会が開催され、約73万人が参加。
1979年10月20日：明治公園での中央集会に2万人が参加。全国各地で集会が開かれ、80万人が参加。
1980年10月20日：日米安保条約廃棄を訴える集会が開かれる。社会党と共産党の間で対立が生じ、共闘が分裂寸前となる。
1981年10月20日：中央集会が分裂。総評などが主催する集会が妨害される。別の団体による中央集会も開催。
1982年10月21日：中央集会が分裂。社会党系と共産党系がそれぞれ集会を開催。全国各地でも集会が開かれる。
1983年10月21日：社会党や総評などが反核や反角を訴える集会を開く。別の団体も中央集会を開催。
1984年10月21日：総評などが横須賀で集会を開き、別の団体が東京で集会を開催。一部地域では社会党と共産党が共闘。
1985年10月21日：中央では複数の団体が共同で集会を開催。多くの地域で共産党系が独自の集会を開き、一部地域では社会党と共産党が共闘。

関連事項

反戦運動
日本労働組合総評議会
日本の新左翼
* 新宿騒乱

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