国際戦略研究所

国際戦略研究所 (IISS) について

国際戦略研究所、または国際問題戦略研究所（IISS）は、イギリスに本部を置く民間シンクタンクで、国際安全保障、地政学、地経学、サイバーセキュリティの分野に特化した研究を行っています。1958年に設立以来、世界の平和と安定の維持・発展に向けた政策提言を行っており、その活動は高く評価されています。現在、ロンドンのアランデル・ハウスを本部に、シンガポール、アメリカのワシントンD.C.、バーレーンのマナーマ、ドイツのベルリンにもオフィスを構えています。

研究プログラムの概要

IISSの研究は、以下の5つのテーマと7つの地域に分かれて行われています。特に、研究テーマは多様で、具体的には以下の項目が含まれています。

研究テーマ

1. 防衛・軍事アナリシス
軍事・安全保障政策や軍事費、調達、作戦能力、新技術の導入などに関する研究が行われます。
2. サイバー・宇宙・未来の紛争
人工衛星やロボット工学をはじめとする情報通信技術の軍事的応用を分析し、量子コンピュータ等の新しい技術の影響を探ります。
3. 地経学、地政学と戦略
経済と地政学の相互作用について検証し、特に西洋から東洋への経済的再分配に関する研究が重視されます。
4. 紛争、安全と発展
紛争や不安定の原因を分析し、その社会経済的影響を明らかにします。国際安全保障と全球的発展との関係を探ることも目的の一つです。
5. 核拡散防止と核政策
核兵器に関するリサーチを行い、特に北朝鮮やイランの核合意に関する議論を進めます。

研究地域

研究が行われる地域には、アフリカ、アジア太平洋、ヨーロッパ、中東・湾流地域、南アジアなどが含まれます。特に日本に焦点を当てた「ジャパン・チェア・プログラム」は、2019年に設立され、急速に変わる地政学的状況を考慮した日本の国際戦略を検討しています。

出版物

IISSは数多くの報告書や年次評価を発表しており、特に「ミリタリーバランス」は171カ国の軍事力や防衛経済に関する重要なデータを提供します。他にも、デジタルデータベース「ミリタリーバランス・プラス」、国際政治に関する隔月刊誌「サバイバル」などがあります。

国際会議と日本との関係

毎年開催される「シャングリラ・ダイアローグ」は、アジアの安全保障に関する最大の国際会議であり、シンガポールで行われます。また、バーレーンで開催される「マナーマ・ダイアローグ」も、地域の安全保障問題についての重要なフォーラムです。日本は、シャングリラ・ダイアローグに毎年防衛大臣が参加しており、近年は高官レベルの関与も増加しています。

このように、IISSは国際的な安全保障の研究と政策形成において重要な役割を果たしており、各国の関係構築にも寄与しています。

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