国際測地学・地球物理学連合

国際測地学及び地球物理学連合（IUGG）の概要

国際測地学及び地球物理学連合（IUGG）は、地球の形状、重力場、磁場、地震、火山、海洋、気象、雪氷圏など、地球物理学と測地学に関する広範な研究分野を扱う国際的な学術団体です。1919年に設立され、現在では世界76ヶ国以上から多くの研究者や専門家が参加しています。IUGGは、地球科学の発展に大きく貢献しており、国際的な基準や定義の策定、国際協力の促進、研究成果の発表など、様々な活動を行っています。

IUGGの組織構成

IUGGは、8つの国際協会と3つの委員会から構成されています。それぞれの協会は、特定の地球科学分野を専門としており、国際学会の開催や学術誌の発行などを通して、分野の発展に貢献しています。

国際協会:

国際雪氷圏科学協会 (IACS)
国際測地学協会 (IAG)
国際地球電磁気・超高層物理学協会 (IAGA)
国際水文科学協会 (IAHS)
国際気象学・大気科学協会 (IAMAS)
国際海洋物理科学協会 (IAPSO)
国際地震学及び地球内部物理学協会 (IASPEI)
国際火山学及び地球内部化学協会 (IAVCEI)

委員会:

Commission on Geophysical Risk and Sustainability (GeoRisk)
Commission on Mathematical Geophysics (CMG)
Committee on the Study of Earth's Deep Interior (SEDI)

これらの組織は、IUGG総会において連携し、地球科学に関する様々な課題に取り組んでいます。

IUGGの活動

IUGGの主な活動としては、以下のものがあります。

国際的な基準や定義の策定: 地球楕円体や重力基準などの国際的な基準を策定することで、世界中で統一的なデータの利用を可能にしています。例えば、現在広く用いられているGRS80楕円体もIUGGとIAGの勧告によって普及しました。
国際学会の開催: 各協会は定期的に国際学会を開催し、最新の研究成果を発表する場を提供しています。さらに、4年に一度、IUGG総会が開催され、世界中の研究者が一堂に会して研究交流を行います。総会は2週間にも及ぶ大規模なイベントであり、多くの発表や議論が行われます。
学術出版物の発行: IUGGは、様々な学術雑誌や書籍を発行し、地球科学研究の成果を広く世界に発信しています。
* 国際協力の推進: IUGGは、地球科学研究における国際協力の推進にも貢献しています。世界中の研究機関や政府機関との連携を強化し、共同研究プロジェクトなどを推進しています。

IUGGの歴史と影響

IUGGは、1919年に万国学術研究会議の下部団体として設立されました。当初はInternational Geodetic and Geophysical Unionという名称でしたが、1930年に現在の名称に変更されました。第1回の総会は1922年にローマで開催され、その後は3年に1回、1963年からは4年に1回開催されています。

IUGGは、地球科学分野の発展に多大な貢献をしてきました。国際的な基準や定義の策定、研究成果の発表、国際協力の促進などを通じて、世界中の地球科学研究の発展を牽引してきました。日本の研究者も積極的にIUGGに参加しており、過去には会長や各協会の委員長などを務めた人物もいます。アメリカ合衆国の研究者はアメリカ[[地球物理学連合]]（AGU）への参加を好む傾向がありますが、ヨーロッパや日本の研究者はIUGGに積極的に参加しています。

IUGGの役割と将来

IUGGは、地球科学研究の国際的なハブとして、今後も重要な役割を果たしていくでしょう。気候変動、地震・火山災害、資源探査など、地球規模の課題への対応において、IUGGの貢献はますます重要になります。国際的な協力体制の強化、データ共有の促進、次世代の地球科学研究者の育成など、IUGGは様々な取り組みを通じて地球社会への貢献を続けていくでしょう。

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