国際赤坂ビル

国際赤坂ビルの概要

国際赤坂ビルは、東京都港区赤坂に位置していたオフィスビルであり、その建設は国際自動車によって行われました。このビルは1973年2月28日に完成し、その設計は企業の安定した収益確保を目的としていました。特に、人件費が高騰する中で、国際自動車は本社オフィスとタクシー・ハイヤーの配車センターを同一敷地内に設置し、効率的な経営を目指しました。

ビル自体は法的には20階建てとして分類されていましたが、実際の外観は下から見ると18階建てに見えるデザインでした。この視覚的な効果は、19階および20階が塔屋の形式で引っ込んでいたためです。ビルの1階フロアには店舗や飲食店があり、特に19階には高級フランス料理店「クレール・ド・赤坂」がありました。このレストランは、豪華な調度品とともにピカソやモディリアーニの作品が飾られており、プライベートな空間を保つために専用駐車場とエレベーターを完備していました。このため、政治家や著名人によく利用されていました。

日商岩井との関係

2階から18階には、日商岩井がその本社を設置しており、これは国際自動車との深い関係を示しています。日商岩井は、日商と岩井産業の合併により設立された商社であり、完成後は日商ビルおよび岩井ビルから移転して一体化しました。このため、ビルは「日商岩井ビル」とも呼ばれるようになりました。しかし、2001年には日商岩井が本社をトレードピアお台場に移転したため、その名称は次第に使われなくなります。

ビルの売却と建て替え

2004年9月、国際自動車はビルをローンスターへ売却しました。これは同社が約2000億円の有利子負債を抱え、経営再建の一環として行われたものです。以降、ビルは長い間放置されましたが、2014年には積水ハウスが740億円でビルを取得し、さらに2018年には日本生命がその持ち分の50%を取得しました。両社は共同でビルの建て替えを計画し、新しいビルは地下3階・地上28階建て、高さ150メートルを想定しています。

この新しいビルは「赤坂グリーンクロス」と名付けられ、2024年5月1日に竣工予定です。新しい建物には、さまざまなテナントが入居することが予想され、東京都内でも注目のスポットになる可能性があります。

入居テナントや店舗

2018年時点での国際赤坂ビルのテナントとしては、株式会社NTTドコモおよびその関連会社があり、法人向けの携帯電話販売店も1階に設置されていました。また、周囲には飲食店舗も多く、八丈島料理の「はっとり」や「スターバックスコーヒー」、ファミリーマートなどが存在しました。

アクセス情報

このビルの位置する赤坂は、東京メトロ銀座線と南北線の溜池山王駅に直結しているため、多くの人々にとってアクセスが便利な場所でした。周辺はビジネスエリアとしても栄えており、国際的な企業が多く立地しているため、色々な利用者が訪れる場所でした。

国際赤坂ビルはその歴史と施設の多様性から、多くの人々に親しまれていたビルでしたが、新たに生まれ変わる赤坂グリーンクロスがその土地の新たなシンボルとなることが期待されています。

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