国際連合安全保障理事会決議67

国際連合安全保障理事会決議67

国際連合安全保障理事会決議67（UNSCR67）は、1949年の1月28日に国連安全保障理事会で採択された重要な決議です。この決議は、インドネシア共和国とオランダの間で発生した戦闘行為についての停戦を求め、さらなる平和維持のための具体的な行動を示すものとなっています。

決議の背景

1945年、インドネシアはオランダから独立を宣言しましたが、その後数年間にわたり独立運動とオランダ軍との間で激しい戦闘が続きました。特に1948年末には大規模な軍事行動が行われ、多くの政治指導者が逮捕される事態が発生しました。この情勢を受けて、国際社会は両国の間での平和的解決を促す必要があると考え、決議の採択に至りました。

主な内容

決議67では、まず両当事者に対し、和平の基本原則であるレンヴィル協定を引き続き遵守するよう要請されています。これにより、オランダは全ての軍事行動を即座に中止し、インドネシア側には、武装勢力によるゲリラ戦を停止することが求められました。このように、平和回復と法令の秩序維持に向けた協力を両国に求める内容となっています。

また、理事会はオランダに対し、1948年12月17日以降に逮捕されたすべての政治犯の解放を要求しました。特に、スカルノやモハマッド・ハッタなど、重要な政治指導者の解放が強調されました。さらに、陥落したジョグジャカルタにインドネシア政府機関の職員が速やかに帰還できるよう、必要な施設を提供することも求めています。

この決議に基づき、安保理は新たに設置されるインドネシア委員会（UNCI）を通じて、制憲議会の構成員選挙が1949年10月までに完了し、オランダが1950年7月までにインドネシアへの主権を譲渡することを求めました。この過程を透明に進めるため、国連は選挙監視、言論や集会の自由の保障、といった任務を委ねました。

実施状況と影響

決議67は部分的な投票で承認されたため、全体としての承認には至りませんでしたが、その影響は長期にわたりました。国際社会の関与によってインドネシアでの和平プロセスが進展し、新たな政権が樹立される道筋が整えられました。さらに、国際連合がインドネシア問題に積極的に関与することで、他国に対する示唆にもなりました。

まとめ

このように、国際連合安全保障理事会決議67は、インドネシアの独立運動と国際的な平和維持において重要な役割を果たしました。今後もこの決議の意義や国際社会の介入による平和構築の在り方が検討されることでしょう。

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