園田城

園田城は、宮崎県えびの市榎田の園田に位置する日本の城（平山城）です。

概要

城域は東西160メートル、南北240メートルに及びます。城郭は二つに分かれており、北西の郭の西側一部が緩やかな谷となっています。この地形から、西と北からの進入路があったと推測されています。それ以外の部分はシラス土壌による急峻な崖となっており、天然の要害を形成しています。

詳細

園田城は文献資料に乏しく、詳細な築城年代や築城主は不明です。拠点としての城郭というよりは、一時的な砦として利用された可能性が考えられています。北原氏の領内に位置していたこと以外、詳しい歴史は分かっていません。

現在、城跡は日章学園九州国際高等学校とえびの市国際交流センターの敷地となっています。これらの施設建設の際に発掘調査が行われましたが、頂部と一部斜面のみの調査に留まっています。また、古墳時代から中世末期にかけての集落跡が重複しており、1500基もの柱跡が検出されたため、城郭としての明確な痕跡を特定するには至っていません。特に、城郭特有の大きな柱穴が見つかっていないことから、城の実態解明は困難を極めています。

しかし、南西部からの進入路付近から14世紀後半頃の備前焼のすり鉢などが出土しています。このことから、山上の集落が堀切や進入路などを整備し、砦として機能させた可能性が考えられています。

参考文献

「園田城」『えびの市の城館跡』（全国遺跡報告総覧）：宮崎県えびの市教育委員会 2008年 pp.45-61

関連項目

昌明寺遺跡

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