園田実明

園田実明（そのだ さねあき）は、戦国時代に活躍した武将で、島津氏の家臣として知られています。薩摩国小野の領主であり、その忠誠心と武勇は、多くの人々に語り継がれています。

島津貴久脱出劇での活躍

大永7年（1527年）6月、島津貴久が島津実久によって清水城を攻められた際、園田実明は重要な役割を果たしました。城を守る覚悟を決めていた貴久に対し、実明は脱出を強く進言しました。そして6月15日、実明は山田伊代守、木脇祐兄、川越重実、長井善左衛門、鎌田政心、井尻祐宗、そして貴久の乳母である宇多氏と共に、夜陰に紛れて城を脱出しました。敵軍50騎による追撃を受けましたが、実明は小野村にある自身の屋敷に貴久を匿い、無事に田布施の亀ヶ城まで送り届けました。この功績は、実明の勇気と知略を示すものとして、後世に語り継がれています。

実久勢との戦い

天文6年（1537年）、園田実明は小野の地において、島津実久の勢力を撃破しました。この勝利は、島津氏の勢力拡大に大きく貢献し、実明の武将としての力量を改めて示すこととなりました。

島津氏との姻戚関係

園田実明の娘（後に実窓院）は、島津義弘の継室となりました。ただし、彼女は一旦、広瀬助宗の養女となった後、島津家に嫁いでいます。この婚姻によって、実明は島津氏とより強い繋がりを持つことになりました。そして、この娘は後に薩摩藩初代藩主となる島津忠恒を産みました。これは、実明の血筋が薩摩藩の歴史に深く関わっていることを示しています。

子孫とその後

園田実明の子孫は、幕末まで小野村に居住し、地域社会に貢献しました。しかし、戦後の農地改革によって、彼らは小野の地を離れることとなりました。それでも、園田実明の名前は、彼の武勇と功績と共に、歴史に刻まれています。

参考文献

* 『本藩人物誌』（鹿児島県史料刊行委員会）

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