園部藩

園部藩の概要

園部藩（そのべはん）は、京都府南丹市園部町小桜町にあたる丹波国船井郡に位置していた藩です。元和5年（1619年）に但馬国出石[[藩]]主の小出吉親が入部することにより成立しました。藩の領地は約2万9800石に及び、初代藩主の吉親はこの地域において城の築城や城下町の整備を進めたことが特徴です。

藩の成立と初期の発展

小出吉親は、園部城の建設とともに土地の検地、市街地の発展、さらに治水事業を手掛け、藩政の基礎を固めました。1667年に隠居した吉親は、息子の小出英知に家督を譲ります。この際、藩領は隠居料として吉親が5000石、英知が新たに開墾された田を併せて2万5000石を相続しました。吉親の死後、この5000石は弟たちによって分配されます。

代々の藩主と政務

園部藩の歴代藩主はすべて小出家出身であり、特に4代藩主の小出英貞は、幕府の奏者番や寺社奉行、若年寄といった重要なポストに就いていました。その後も第5代の小出英持や第6代の小出英常も幕府の要職を歴任するなど、藩の政治に影響力を持ちました。

しかし、藩の経済状況は第7代藩主・小出英筠の時代に悪化します。続く飢饉や旱魃、洪水といった天災が藩財政に大きな影響を与え、1787年には天明の一揆が発生し、民衆の不満が高まりました。この状況を打開するため、藩は煙草の専売制度や木材の市場規制といった施策を実施し、ある程度の効果をもたらしました。

幕末の動向とその後

幕末期に入ると、園部藩は早期に官軍側に帰順し、明治2年（1869年）には最後の藩主小出英尚が藩知事に任命されました。明治4年（1871年）には廃[[藩置県]]が実施され、園部藩は正式に廃藩となりましたが、英尚はその後も続けて園部県知事に就任しました。やがて園部県は同年8月に廃され、11月には京都府に統合されました。分家であった藩主家は子爵に叙され、名称はその後も歴史の一部として記憶されています。

歴代藩主

1. 小出吉親（1619年 - 1667年）
2. 小出英知（1667年 - 1673年）
3. 小出英利（1673年 - 1705年）
4. 小出英貞（1705年 - 1744年）
5. 小出英持（1744年 - 1767年）
6. 小出英常（1767年 - 1775年）
7. 小出英筠（1775年 - 1821年）
8. 小出英発（1821年 - 1843年）
9. 小出英教（1843年 - 1855年）
10. 小出英尚（1856年 - 1871年）

園部藩の歴史は、戦国時代の過渡期から明治時代への移行を背景に、地域の発展とともに苦難の歴史を物語っています。

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