圓城寺 (淡路市)

圓城寺（えんじょうじ）

圓城寺は、兵庫県淡路市佐野の地に静かに佇む寺院です。この寺は、淡路島七福神巡りで知られる麓の八浄寺の奥の院にあたります。

本尊と文化財

ご本尊は、二体の聖観世音菩薩像です。これらは秘仏とされており、俗に夫婦観音とも呼ばれます。平安時代（藤原期）に造られたと伝わるこれらの像は、その歴史的・美術的価値から兵庫県の指定重要文化財となっています。例年4月10日には、この重要文化財である秘仏観世音菩薩のご開帳に合わせた祈願大祭と桜まつりが開催され、多くの人々が訪れます。

庭園「御岳山」

境内に広がる美しい庭園は「御岳山」と名付けられています。この庭園は、日本庭園研究の大家であり、「昭和の小堀遠州」と評された中根金作氏が手掛けたものです。苔や岩石、植栽が見事に配置された静寂の空間は、訪れる人々に心の安らぎを与えます。特に4月10日の桜まつりの日には、通常は非公開とされている「不老長生の庭」が特別に公開され、その全景を鑑賞することができます。

淡路島屈指の桜の名所

圓城寺は、古くから地域の人々に桜の名所として深く愛されてきました。境内には、ソメイヨシノやヤマザクラといった代表的な品種に加え、「白雪桜」や「楊貴妃桜」といった珍しい品種を含む、約450本の桜が植栽されています。春の開花期には、山間の静かな里が美しい桜色に染まり、多くの花見客で賑わいを見せます。山峡の豊かな自然と田園風景に囲まれた立地は、のどかで心落ち着く景観を提供し、特に桜の時期には約400本の桜が咲き誇る中に本殿が佇む様が幻想的で、訪れる人々を魅了する観光スポットとなっています。

俳句の寺

また、圓城寺は俳句を愛する人々が集まる場としても知られています。年間を通じて俳句大会が催されており、多くの俳句愛好家たちがこの地で感性を磨き、作品を生み出しています。

あわじ花へんろ

圓城寺は、「あわじ花へんろ」の第17番札所にも数えられています。年間を通じて様々な花々や植物を楽しむことができる点も魅力の一つです。

4月: サクラ（ソメイヨシノ、ヤマザクラ他 約400本）
4月下旬～5月上旬: ツツジ
11月下旬: イチョウ
11月～1月: サザンカ

拝観情報

拝観料: 無料
駐車場: 20台
ただし、境内までの道は狭いため注意が必要です。
例年4月10日の桜まつりの日には、麓の八浄寺から圓城寺まで無料バスが運行される予定です。

交通アクセス

バスを利用する場合

津名港より淡路交通バス岩屋行きに乗車（約10分）。佐野小学校前バス停で下車後、徒歩約40分。

乗用車を利用する場合

神戸淡路鳴門自動車道津名一宮ICで下車。兵庫県道88号を東へ進み、国道28号を北上後、兵庫県道157号を左折。ICから圓城寺まで車で約30分。

圓城寺は、文化財、美しい庭園、そして四季折々の自然、特に春の桜が見事に調和した、静かで魅力的な古刹です。淡路島を訪れた際には、ぜひ一度足を運んでみてください。

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