津名港

津名港（つなこう）

津名港は、兵庫県淡路市の志筑に位置する地方港湾で、管理は兵庫県が行っています。この港は佐野港区、志筑港区、塩田港区から成り、志筑川や宝珠川が流れ込んでいます。現在、津名港には航路は存在せず、ターミナルビルは主にバスターミナルとして利用されています。

現在の航路と将来の計画

現時点で津名港には航路がありません。しかし、淡路市長である門康彦氏は、大阪や神戸との交流を強化するために、津名港を拠点とするIR（統合型リゾート）計画を検討しています。これにより、津名港と交流の翼港を結ぶ新たな航路の創設が期待されています。

過去の航路の歴史

津名港にはかつて様々な定期航路が存在しました。1988年から2007年1月31日まで、津名港は深日港や泉佐野港と結ぶ大阪湾フェリーや南海淡路ラインの発着港として利用されていました。また、1971年から1998年まで運航されていた甲子園高速フェリーや、1998年から2001年にかけて運航されていた津名港-関西国際空港間の淡路エアポートライン、さらに短期間運航された大阪淡路ラインもありました。このように、津名港は過去に多様な航路の発着地として賑わっていました。

航路の歴史は江戸時代まで遡ります。志筑浦はこの時期には風待ち港として機能し、穏やかな風に恵まれれば約6時間で大阪に到着することができました。しかし、近現代になってからは、1971年に甲子園フェリーが運行を開始したことが、津名港の旅客航路の歴史のスタート地点とされています。その後、関西汽船や南海中央フェリーが航路を開設し、カーフェリーの港として発展していきましたが、泉大津航路は1975年に廃止されるなど、当初は思うようにはいきませんでした。

1981年には共同汽船による阪神 - 洲本旅客船航路が寄港を開始し、その後の交通の発展とともに津名港は淡路島の重要な交通拠点となりました。1988年には大阪湾フェリーが全便を津名港発着に変更し、1990年代には現在のターミナルが完成しました。この時期、津名港は関西国際空港開港に伴い、交通機関の中心的役割を果たしますが、1998年に明石海峡大橋が開通すると、航路の多くが廃止され、現在ではたくさんのバス路線が運行されています。

津名港とバス路線

津名港ターミナルビルは、過去にはバス会社の窓口が設けられていましたが、2008年から2020年の間に相次いで閉鎖されました。現在、高速バス路線の一部は津名港を経由せずに運行されていますが、津名港は依然として地域交通の重要な拠点です。特に、運賃の面で津名港を利用するよりも津名一宮ICなどでの乗降の方が安くなるケースも多く、利用者は便利な交通手段を求めています。

周辺環境

津名港周辺には淡路市役所や兵庫県立津名高等学校、関西看護医療大学などの重要な施設が点在しています。また、イオン淡路店や上新電機、沖物産本社なども近くにあり、地域の商業施設として機能しています。これらの要素から、津名港はただの交通拠点にとどまらず、地域の生活の一部として重要な役割を果たしています。

津名港の歴史や交通の変遷を通じて、その重要性が見えてきます。現在はバスターミナルとしての機能が主ですが、地域の交通の要所として今後もその役割を果たし続けることでしょう。

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