土井幸美

土井幸美氏は、日本の小学校で教鞭をとる傍ら、パレスチナ問題を巡る活動に深く関わる人物として知られています。フリージャーナリストである土井敏邦氏の妻であり、その取材活動を支える団体「すぺーす・どい」の主宰を務めるなど、様々な形でパレスチナとの繋がりを持っています。

経歴

教育者としての道を歩み、かつてはアラブ首長国連邦にある日本人学校に勤務した経験があります。その後、旧横浜市立聾学校（現在の横浜市立ろう特別支援学校）に移り、子どもたちの教育に携わりました。

パレスチナへの関心と活動

土井氏は、夫である土井敏邦氏と結婚する以前から、パレスチナ問題に対して強い関心を抱いていました。旧姓の糟谷幸美名義でも、現地での積極的な活動を展開しています。ガザ地区のアトファールナー聾唖学校でのボランティア活動に参加したほか、「パレスチナ子どものキャンペーン」をはじめとするNGO活動にも携わりました。これらに加え、糟谷幸美として研究活動も行い、パレスチナに関する知見を深めてきました。また、教育者としての視点から平和教育にも力を入れ、埼玉県の丸木美術館を支援する活動にも旧姓名義で関わっています。

夫との出会いと結婚

土井氏のパレスチナとの繋がりは、私生活にも及びます。2003年7月、パレスチナ自治区のガザ地区で、後に夫となるフリージャーナリストの土井敏邦氏と運命的な出会いを果たしました。この結婚は、ガザ地区の著名な人権弁護士であるラージー・アッ＝スーラーニー氏の立会いのもと行われ、現地との強い結びつきを象徴する出来事となりました。

ドキュメンタリー映画への関与

パレスチナに関するドキュメンタリー映画の制作支援も、土井氏の重要な活動の一つです。2006年5月20日に公開された古居みずえ監督の作品『ガーダ -パレスチナの詩-』では、「古居みずえドキュメンタリー映画支援の会」の代表として製作に協力しました。また、2009年に公開された夫、土井敏邦氏が制作したドキュメンタリー映画『沈黙を破る』にも特別協力という形で関わっており、映画を通じてパレスチナの現状を伝える活動を支援しています。

現在の活動

「すぺーす・どい」の主宰として、夫である土井敏邦氏のジャーナリスト活動を多方面からサポートしています。パレスチナに関する情報発信や、土井氏の作品の上映会などを企画・運営することで、日本の人々にパレスチナ問題への理解を深めてもらうための橋渡し役を担っています。

まとめ

土井幸美氏は、本業である小学校教諭としての活動と並行して、教育者、ボランティア、研究者、そして支援者として、長年にわたりパレスチナ問題に真摯に向き合ってきました。その活動は、ドキュメンタリー映画制作支援や夫の取材活動支援など多岐にわたり、パレスチナの人々が置かれた状況を広く社会に伝えるための重要な役割を果たしています。教育現場での経験とパレスチナでの活動を結びつけ、平和や人権の大切さを訴え続けるその取り組みは、多くの人々に影響を与えています。彼女の活動は、個人的な関心を超え、国際的な問題に対する市民社会からのアプローチの可能性を示しています。

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