土佐田村氏

土佐田村氏の歴史

土佐田村氏（とさたむらし）は、土佐国田村庄に根を持つ豪族であり、戦国時代には長宗我部氏の家臣を務めていました。彼らのルーツは、鎌倉時代に遡ります。当初、藤原仲教が陸奥田村庄（現在の福島県田村市・三春町）の領地を得て田村姓を名乗り、その子孫は鎌倉幕府の評定衆などの重要な役職に就くなど、名を馳せました。

ルーツと初期の発展

土佐田村氏の起源は、源頼朝の東北征伐の功績を持つ大友能直にさかのぼります。彼は、陸奥田村庄を行政区として治めていましたが、さらなる領地を求める中、藤原仲教がその地を取得し、初代の田村姓を名乗ることになりました。仲教の子供である田村仲能は、鎌倉幕府の評定衆としての職務を全うし、陸奥守や伊賀守、能登守などの地位を歴任しました。特に、鎌倉市内の海蔵寺の建立に関与したことでも知られています。その后、鎌倉幕府が滅亡の危機に瀕した際には、同じ一族の摂津氏を頼って再興に成功しました。

室町時代から戦国時代への移行

時代が進むにつれ、土佐田村氏は幕府の奉公衆や御番衆としての役割を果たしていきます。特に近江国の野路村では地頭となり、さまざまな権力と関わりを持つようになりました。しかし、1380年ごろに守護の細川氏に占領された土佐田村庄は、永正4年（1507年）の細川政元の暗殺を機に再度復帰のチャンスを得ました。摂津氏に支援されながら、田村氏は土佐に移り住み、長宗我部氏の家臣としてまた新たな歴史を築いていきました。

江戸時代とその後

江戸時代には山内氏に仕官し、当地の大庄屋として下茅（土佐清水市下ノ加江）を治めることとなります。また、宿毛領では武士としても名を馳せました。土佐清水市などの幡多地方には現在でも多くの田村姓の人々が居住しています。地元の「田村神社」には、田村氏の祖先が祀られており、地域文化の一部として重要な役割を果たしています。

系譜の変遷

土佐田村氏は秀郷流を経由しています。秀郷流の系譜には藤原秀郷から始まる一連の名が連なり、仲教、仲能、重教を経て今日の田村氏に至るまで多くの歴史と物語を織り成しています。彼らの戦国時代における戦いや、江戸時代の仕官生活は、地域の歴史に深く刻まれています。歴史的な名家としての地位を築いた土佐田村氏は、今なお地域の誇りとして受け継がれています。

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