土岐定義

土岐定義：安土桃山から江戸初期を駆け抜けた武将

土岐定義(ときさだよし)は、安土桃山時代から江戸時代前期にかけて活躍した、名門土岐氏の武将にして大名です。沼田藩土岐家の初代藩主として、激動の時代を生きた彼の生涯は、数々の戦役への参加と、領地の加増移封によって彩られています。

家督相続と関ヶ原の戦い

土岐定政の次男として生まれた定義は、兄の早世により、慶長2年(1597年)に父の後を継ぎ、下総国守谷で1万石を領する大名となりました。徳川秀忠に仕え、その才能は早くから認められていたと言えるでしょう。関ヶ原の戦いでは、秀忠軍の一員として、真田昌幸が堅固に守る難攻不落の信州上田城攻めに参加しました。この戦いは、定義の武勇を示す重要な機会となったはずです。

佐竹氏の減封と大坂の陣

慶長7年(1602年)、常陸国の佐竹義宣が秋田に減封された際には、水戸城の守備を任されるなど、重要な役割を担いました。これは、定義の忠誠心と軍事的な能力の高さを示すものでしょう。その後、慶長17年(1612年)には大番頭に就任。そして、慶長19年(1614年)から始まる大坂の陣では、冬の陣では秀忠軍に従って参戦し、夏の陣では江戸城の守備を任されるなど、重要な任務を歴任しました。

高槻への移封と晩年

元和3年(1617年)、定義は摂津国高槻に2万石に加増移封されました。これは、その功績が認められた証左と言えるでしょう。高槻城は、その後近代城郭として改修され、現在もその名残を見ることができます。しかし、その栄華は長くは続かず、元和5年(1619年)1月8日、40歳という若さで亡くなりました。その死は、多くの家臣や領民にとって大きな損失だったに違いありません。家督は長男の頼行が継ぎ、土岐家は存続していきました。

系譜と人物像

定義の父は土岐定政、母は鳥居元忠の娘です。正室は諏訪頼水の娘であり、土岐頼行、滝川利貞ら数人の男子をもうけました。これらの男子は、それぞれに活躍の場を求め、土岐氏の繁栄に貢献したと思われます。定義自身は、勇猛果敢な武将であったと同時に、政治的な手腕にも長けた人物であったと考えられます。彼の短い生涯は、戦国時代から江戸時代への移行期における、武将の生き様を象徴的に示していると言えるのではないでしょうか。

まとめ

土岐定義は、関ヶ原の戦い、大坂の陣といった重要な戦役を経験し、徳川幕府に貢献した武将です。1万石から2万石への加増移封は、彼の功績が幕府によって高く評価された証左でしょう。短い生涯ではありましたが、その武勇と政治的才能は、後世にまで語り継がれるにふさわしいものです。彼の功績は、単なる武将としての活躍にとどまらず、領民の生活向上や、土岐家の繁栄にも貢献したと考えることができます。高槻城の改修なども、彼の治世下の事業として、後世に影響を与えています。

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