土岐頼芸

土岐頼芸の生涯と影響

土岐 頼芸（とき よりのり/よりあき/よりなり/よりよし）は、1502年に美濃国の戦国時代に誕生した守護大名です。彼の生まれた時代は、土岐氏や斎藤家の権力争いが続く混乱期であったため、頼芸は早くから多くの争乱に巻き込まれることになります。彼は土岐政房の次男であり、兄の頼武とその子頼純との綱引きに大きく関わることになります。

頼芸の父、土岐政房は彼を溺愛し、長男の頼武を廃嫡する計画を立てました。頼芸は、支持者を集めて頼武と対立し、永正14年（1517年）の合戦にて敗北しますが、翌年には賛同者を集めて再び立ち上がり、頼武を越前国に追放することに成功します。その後彼は美濃守護の地位を確立しました。

しかし、頼芸の勝利は長続きせず、頼武側が朝倉孝景の支援を得て美濃に侵攻し、頼芸は敗れ、再びの権力喪失を経験します。これ以降も頼芸は幾度となく出征を繰り返し、最終的には1525年に政権を奪取し、美濃守護となります。

頼芸は、その後も周囲の情勢に翻弄され続けました。彼の支持基盤が次第に弱まり、斎藤道三との関係が険悪化すると、またも追放の憂き目に遭います。道三の策略により、頼芸は尾張国の織田信秀の支援を基に再逆襲を図りますが、最終的にはその地位を頼純に譲渡し、再び追放されてしまいます。

このような数々の戦乱や軋轢の中、頼芸は文化人としても名を馳せました。彼は多くの書画を残し、特に鷹の絵を描くことを得意としました。この鷹の絵は「土岐の鷹」として珍重され、彼の一族においても画家としての実績を残しました。

頼芸の家系は、彼の子孫や取り巻く人々にも影響を与えています。たとえば、息子の大圓は三河に寺院を創建し、歌人の土岐善麿はその子孫にあたります。また、頼芸の愛妾が道三に仕えたことから生まれたとされる斎藤義龍についても、さまざまな逸話が残っています。

頼芸は晩年を病に苦しみながらも、再び美濃に戻ることができたものの、1582年に死去し、81年の生涯を全うしました。彼の人生は、波乱万丈な戦国時代の象徴とも言え、戦国大名としての姿だけでなく、文化人としても多くの痕跡を後世に残しています。

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