土御門有春

土御門 有春（つちみかど ありはる）

土御門有春は、戦国時代に名を馳せた公卿および陰陽師であり、土御門家の第29代当主としてその名を歴史に刻んでいます。彼は陰陽頭であった父、土御門有季の子として生を受け、陰陽道の伝統を受け継いでいくことになります。

経歴

有春は1543年に生まれ、数々の官職を歴任しました。特に注目すべきは、天文12年7月28日（西暦1543年8月28日）に治部卿に任命されたことで、彼の政治的活動が本格化していくことを意味しています。彼の官位は従三位および陰陽頭であり、非参議にもかかわらず、影響力のある地位を占めていました。

彼の家系は、陰陽道の伝統を強く受け継ぐものであり、同時期に存在した賀茂氏勘解由小路家の当主、賀茂在昌との関係も重要です。賀茂在昌は有春と同様に陰陽道の家系に生まれましたが、後にキリシタンとなり、京を離れて豊後府内に留学することになります。このような時代背景の中で、土御門家は文化や宗教の変遷を見守りつつ、陰陽道を維持していく役割を果たしました。

永禄7年（1564年）には、賀茂在昌が家を捨てるという事件があり、その影響で賀茂氏勘解由小路家は後継者不在に陥ります。結果として、在昌の死後、四男の福寿丸を養子に迎え、勘解由小路在高として土御門家に引き入れる方針が取られました。

家族

有春の家族構成はシンプルであり、父は土御門有季という陰陽頭で、彼もまた公卿の位にありました。母については詳しい記録が残っておらず、養父として土御門有宣が名を記録されています。有春には確かな妻の名も知れず、子供については男子二人が存在し、ひとりは土御門有脩、もうひとりは勘解由小路在高で、後者は賀茂氏からの養子ということになります。

影響と評価

土御門有春は、陰陽道を継承する重要な存在として、また公卿としての活動を通じてその名を歴史に残しました。彼の存在は、戦国時代の日本における陰陽道の重要性を物語るものであり、文化的な背景を考慮すると、彼の役割はただの家族の当主にとどまらない有意義なものであったことが明らかになります。

今後の研究や発掘によって、土御門有春のさらなる詳細や彼の影響力、活動について新たな情報が得られることが期待されます。

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