土方雄興

土方雄興（ひじかた かつおき）は、寛政11年（1799年）に伊勢菰野藩の第9代藩主・土方義苗の長男として江戸で生まれました。文化13年（1816年）には将軍徳川家斉に拝謁し、天保6年（1835年）に父の隠居に伴い家督を継ぎ、第10代藩主となりました。

藩主就任後、雄興は藩政改革に尽力します。藩校・修文館を設立し、学問を奨励することで藩士の教育水準向上を目指しました。また、藩の財政状況を鑑み、倹約令を強化することで財政再建を図りました。雄興自身も和歌に秀でた教養人であり、文化的な側面からも藩に貢献しました。

しかし、天保9年（1838年）に40歳という若さで江戸にて病没し、父・義苗に先立つこととなりました。跡は長男の雄嘉が継ぎました。

雄興は、その能力を高く評価され、若年寄候補に推薦されたことがありました。しかし、藩の財政状況を考慮し、若年寄就任に伴う出費の増加を懸念した雄興は、この推薦を辞退したと伝えられています。この逸話からも、雄興の藩政に対する真摯な姿勢がうかがえます。

系譜

父母
父: 土方義苗
母: 田沼意致の娘（田沼意知の養女）
正室
九鬼隆郷の娘
子女
土方雄嘉（長男）：母は正室
土方興文
伊東長裕正室
土方久己室

土方雄興は、短期間ながらも藩政改革に尽力し、文化的な貢献も果たした藩主でした。彼の功績は、後世に語り継がれています。

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