土橋正樹

土橋 正樹（つちはし まさき）

1972年7月23日生まれ、神奈川県横浜市出身の元プロサッカー選手、指導者。主にディフェンダーやミッドフィルダーとして活躍し、キャリアを通じて浦和レッドダイヤモンズに所属した。

横浜市で生まれた土橋は、小学時代を静岡県清水市（現静岡市清水区）で過ごした。サッカー王国として知られる清水で腕を磨き、小学6年生時には清水FCの一員として、後にプロの世界で活躍する山田隆裕らと共に全日本少年サッカー大会に出場している。

中学は仙台市立蒲町中学校へ進学。高校は宮城県の東北学院高校に進み、3年次の1990年には全国高校総体でチームのベスト4進出に大きく貢献。この活躍が認められ、日本ユース代表にも選出され、名波浩や藤田俊哉といった同世代のタレントと共にAFCユース選手権の舞台に立った。

国士舘大学を経て、1995年に浦和レッドダイヤモンズへ入団。当時の監督であったホルガー・オジェックの下で、中盤の底を担うボランチとしてすぐに頭角を現し、レギュラーポジションを獲得した。加入前の2年間、Jリーグで連続最下位に沈んでいた浦和において、彼の献身的なプレーと正確なパス捌きはチームを大きく変貌させ、この年チームは1stステージで3位と躍進を遂げた。この充実したシーズンでのパフォーマンスは高く評価され、翌1996年には日本代表にも名を連ね、国際Aマッチ出場を果たしている。

その後も土橋は浦和の中心選手として長年にわたりチームを支え続けた。豊富な運動量と的確なポジショニングで守備を安定させつつ、攻撃の組み立てにも貢献。ファンからも「ミスターレッズ」と称されるほど絶大な信頼を得ていた。特にサポーターの記憶に深く刻まれているのは、2000年11月19日に行われたJ2リーグ最終節のサガン鳥栖戦である。この試合で土橋は、浦和のJ1リーグ復帰を決定づける劇的なVゴール（ゴールデンゴール）を記録。チームを歓喜の渦に巻き込み、クラブ史に残る重要な局面で決定的な仕事をした。

2003年シーズン終了後、現役を引退。スパイクを脱いだ後も、愛着のある浦和レッズを離れることなく、クラブへの貢献を続けた。引退直後は、地域貢献活動を行う浦和レッズハートフルクラブのスタッフとして、サッカーを通じた社会貢献活動に携わった。

2007年2月からは、浦和レッズの育成組織へと活躍の場を移し、ジュニアユースコーチに就任。若手選手の育成に情熱を注いだ。2013年からは浦和レッズジュニアチームの監督を務め、その後もジュニアやジュニアユースのコーチ、監督を歴任。育成年代の指導者として、長きにわたりクラブの未来を担う選手の育成に尽力した。

近年では、2022年にはジュニアユースメソッドコーチとして指導法の向上に取り組み、2023年からはヘッドオブコーチという役職に就任。浦和レッズアカデミー全体のコーチング部門を統括する立場として、クラブの指導哲学の浸透と質の向上に貢献し続けている。選手として、そして指導者として、土橋正樹は一貫して浦和レッズと共に歩むキャリアを築いている。

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