土留

土留（どどめ）とは

土留は、法面や段差の崩壊を防ぐために設けられる構造物です。この構造物は、特に傾斜地や堤防の周辺で重要な役割を果たします。英語では「retaining wall」と呼ばれていますが、詳細には自立式と間知石などを使ったもたれ式の土留があり、それぞれ異なる特性があります。

自立式土留構造

自立式土留構造は、構造物自体の強靭さと基礎部分の水平抵抗を利用し、土留の背面にかかる土圧や水圧を支える工法です。この工法は、限られた設置面積においても高い強度を持たせることができるため、特に重要な地点に適しています。しかし、強固な構造を確保するために必要な材料や建設作業のため、他の方法に比べてコストが高くなる傾向があります。主に使用される材料には、直打ちコンクリートや鋼管杭などがあります。

もたれ式土留構造

もたれ式土留構造は、構造物自体の重さと土留の背面からかかる土圧が互いにバランスを取りながら支える工法です。このため、広い設置面積が求められますが、構造物を薄くすることができ、結果として費用が抑えられる利点があります。主に間知石やコンクリートブロック、石材などが使用され、水圧を逃すために背面には栗石層や水抜きパイプが設けられることが一般的です。また、背圧を特に考慮しない場合には、木製の土留や丸太を用いた簡易的な構造が採用されることもあります。

目地の重要性

土留構造には、目地の設定が重要です。コンクリートや漆喰を用いて目地を埋めるものを「練積」と呼び、目地を設けないものを「空積」と分類します。目地の設置によって、構造物の強度や耐久性が大きく影響を受けるため、慎重な設計が求められます。

簡素な土留構造

半恒久的な機能が求められない場合は、土嚢積みや丸太積み、板柵などを利用した簡易的な土留も選ばれます。こうした構造物は、比較的短期間の使用を前提としているため、制作コストを抑えることができるのが利点です。また、止め釘や木杭を使用し、そこにヤナギを挿して緑化を進める工法も注目されています。

脚注

さまざまな土留構造の適用場面や関連情報については、「擁壁」や「法面」、「治山」などの関連項目を参照してください。これらの知識は土木工学、土質力学、さらには斜面崩壊や地すべりといった重要なトピックとも関わっています。土留は、護岸や地盤の安定を図る上で欠かせない構造物であり、その設計・施工には高い専門性が要求されます。

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