間知石

間知石の概要

間知石（けんちいし、またはまちいし）は、主に土木建築において使用される石材の一種で、特に石垣や土留などの構造物に利用されます。この石材は、その名の通り、6つが横に並ぶと約1間（およそ180cm）になることから名付けられました。通常、間知石の短辺は約30cmであり、正方形や長方形の表面を持ちながらも、背後には控え部分があり、全体として角錐型（およそピラミッドの形状）をなすことが特徴です。

この石材は、さまざまな形式で提供されており、間知石を積む際には、時に6角形の部材や野球のホームベースのような5角形の部材（矢羽形）を使用することもあります。こうした多様性は、施工場所やデザインに応じた柔軟性をもたらします。

素材について

間知石の大多数はコンクリートで構成されていますが、古い構造物や、替わって現在でも景観を重視する側面を考慮して、花崗岩などの天然石を加工して製造されることもあります。コンクリート製の間知石は、構造物の強度を保ちつつ、コストを削減するために広く使われています。

積み方

間知石の積み方にはいくつかの方法があり、代表的なものには布積（ぬのづみ）と呼ばれる水平方向に長辺を並べる方法と、矢羽型の間知石を斜めに積む矢羽積（やばねづみ）があります。積み上げる際には、間知石の背後に割石などを詰めて土圧の分散を図ることで、全体の安定性を高める工法が採用されます。また、排水処理を考慮して、詰めた石の隙間にパイプを設置することも行われます。

積み方に関しては、目地にモルタルを充填する「練積（ねりづみ）」と、充填を行わない「空積（からづみ）」といった区別があります。日本の高度成長期以前は、熟練した石工が多く存在し、空積の技法が盛んに用いられていました。空積でありながらも、控え部分の割石の配置次第で、練積と同等の強度を持つ構造物が成立することもあります。実際に、半世紀以上経過した今でも現存する間知石の構造物が多数存在しています。

関連項目

間知石は、コンクリートブロックや石垣など、他の土木建材とは異なるユニークな性質を持つため、様々な地域で重要な役割を果たしています。これにより、地域の景観や歴史に深く根ざした建築物が形成されることとなります。

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