流量

流量について

流量（りゅうりょう、英: flow rate）は、液体や気体といった流体が移動する量を表す物理的な指標です。この量は、通常、単位時間あたりに移動する体積または質量として定義されます。

体積流量と質量流量

流体の移動の量を体積として考えた場合は、体積流量（たいせきりゅうりょう、volume flow rate）が用いられます。日本の計量法でも、一般に流量と言った場合には体積流量を指します。国際単位系（SI）では、体積流量の単位には立方メートル毎秒（m³/s）が用いられます。また、立方メートルをリットルに置き換えたり、分や時に単位を変えたりすることも可能です。特に、海洋学では海流の流量を「百万立方メートル毎秒」として表現するスベルドラップ（Sv）も使用されます。

体積流量は、流体の断面積と流速の積として表すことができ、これにより同じ流量であれば断面積が大きいほど流速は低くなることがわかります。この原理を応用して、川の流れの変化を理解することができます。例えば、大雨の際には流量が増えるため、流速も増加します。一方、ダムの役割は、下流の流量を一定に保つことにもあります。

流量計

流量を測定するための装置を流量計と呼び、以下のような種類があります。

1. しぼり流量計（ベンチュリ計）: 通過流量によって前後の圧力差を利用するもの。
2. 差圧式流量計（オリフィス流量計）: オリフィスプレートによる圧力差を測定するもの。
3. フロート型流量計: 浮子の圧力差に基づいて流量を測定します。
4. 層流型流量計: 流体の粘性による圧力降下を利用します。
5. 熱線式流量計: 流体が奪う熱量から流量を測定します。
6. カルマン渦流量計: 流量によって変わるカルマン渦の発生周期を利用するもの。
7. タービン流量計: 流れによって回転する翼車を用いるもの。
8. 超音波流量計: 超音波の伝播時間を利用した測定法。
9. 電磁流量計: 導電性の流体に限られるが、非常に高精度です。
10. 羽根車式流量計: 流れの中での羽根車の回転を測定します。
11. 堰式流量計: 水路の水面の高さを測定し、流量を算出します。
12. コリオリ式流量計: 流体の移動に伴うねじれ角を測定します。
13. ノズル式流量計: 音速ノズルを用い、流量を算出します。
14. 石けん膜流量計: 石鹸膜の移動時間から流量を測定します。

これらの流量計は、さまざまな原理に基づいて流量を測定し、それぞれの特徴と用途によって使い分けられます。

流量測定の方法

流量の測定には、流速計と精密法が一般的です。流速を測定するために流速計を使用し、流速を正確に計算して流量を求めます。自然河川の場合、流速は水深によって変化するため、平均流速を測定することが重要です。このため、断面積を考慮しながら流量を計算します。

浮子法

出水期など流速計を用いることができない場合に利用されるのが浮子法です。この方法では、うきを使って流速を測定します。表面流速を測定する表面うき法や、平均流速に近い棒うき法、さらには水中うきと表面うきを組み合わせた二重うき法などが存在します。

結論

流量は流体が移動する量を示す重要な物理的指標であり、さまざまな流量測定方法が利用されています。これにより、科学的・工業的な用途から環境管理に至るまで、流量測定は多くの分野で重要な役割を担っています。

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