在外選挙

在外選挙について

在外選挙とは、海外に在住する日本国民が、日本国内で行われる国政選挙に投票できる制度です。この制度は、海外に住む日本人の政治参加を保障する重要な仕組みであり、有権者は在外選挙人名簿への登録を通じて、国政選挙に投票する権利を行使できます。

在外選挙の対象となる選挙

日本国内で行われる以下の国政選挙が、在外選挙の対象となります。

衆議院議員総選挙
参議院議員通常選挙
憲法改正国民投票

在外選挙の歴史

1998年に公職選挙法が改正され、2000年5月以降の国政選挙から在外選挙が導入されました。当初は比例代表制の投票のみに限られていましたが、在外日本人選挙権訴訟の結果、2007年6月からは選挙区での投票も可能となりました。また、憲法改正の国民投票についても、在外投票が可能となっています。

在外選挙人名簿への登録

在外選挙に参加するには、まず在外選挙人名簿への登録が必要です。登録には以下の条件を満たす必要があります。

1. 選挙当日に満18歳以上の日本国籍を有していること。
2. 現在住んでいる海外の国・地域に3ヶ月以上在住していること。
3. 登録する市区町村の選挙管理委員会を事前に確認しておくこと。

登録の申請は、在外公館の窓口で必要書類を記入して行います。登録には2ヶ月程度かかるため、選挙直前に申し込んでも間に合わない場合があります。近年では、オンラインでの本人確認や書類提出も可能となり、手続きの利便性が向上しています。

投票方法

在外選挙には、主に以下の2つの投票方法があります。

1. 直接投票: 在外公館などに設けられた投票所で、在外選挙人証とパスポートを提示して投票します。基本的には選挙公示日の翌日から国内投票日の5日前まで受け付けられますが、投票用紙の郵送作業のため、締切日が早まる場合があります。
2. 郵便投票: 本籍地または最後の住所地の市区町村選挙管理委員会に投票用紙を請求し、郵送で投票します。投票用紙は選挙公示日から選挙当日の日本時間20時までに必着する必要があります。

また、一時帰国などで日本国内に滞在する場合は、本籍地の選挙管理委員会で直接投票することも可能です。

違憲判決

最高裁判所は、2005年に在外選挙の対象が比例代表選挙に限られているのは憲法違反であると判決しました。これにより、選挙区での在外選挙が可能となりました。また、2022年には最高裁判所裁判官国民審査において在外投票が導入されていないことも違憲であると判決されました。

関連項目

選挙
不在者投票制度
在外日本人
在外日本人選挙権訴訟
在外日本人国民審査権訴訟
在日外国人
日本における外国人参政権
外国人地方参政権裁判
金井紀年
en:Right of expatriates to vote in their country of origin

脚注

注釈

出典

外部リンク

総務省｜投票制度
総務省｜在外選挙制度について
外務省: 在外選挙
* 海外有権者ネットワーク・日本 | JAPANESE OVERSEAS VOTERS NETWORK-Japan

在外選挙は、海外に住む日本国民が政治に参加する権利を保障する重要な制度です。制度の利用には、在外選挙人名簿への登録が必須となるため、対象となる方は、早めに登録を済ませることが推奨されます。

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