在日韓国人をはじめとする永住外国人住民の法的地位向上を推進する議員連盟

在日韓国人を含む永住外国人住民の法的地位向上を目指す議員連盟

2008年1月、民主党内に設立された「在日韓国人をはじめとする永住外国人住民の法的地位向上を推進する議員連盟」は、永住外国人に地方選挙権を付与する法案の実現を目的としています。この議員連盟は、先に外国人地方参政権に関する法案が廃案となった経緯を受け、再度の法案提出を目指して活動しています。

背景と設立の経緯

民主党は、過去に1998年および2000年に外国人地方参政権に関する法案を提出しましたが、いずれも成立には至りませんでした。特に、2005年に韓国が永住外国人に地方選挙権を与えたことが影響し、民主党内の議員たちは国内でも同じ待遇を実現する必要性を強く感じました。白眞勲や川上義博、津村啓介、千葉景子らが中心になり、議員連盟が発足したのです。

連立与党の中でも、自民党は外国人地方参政権に対して慎重な姿勢を崩さず、一方公明党は賛成の立場を取っていました。そのため、民主党が法案を提出し公明党に支持を依頼することで与党内の分断を図る戦略が立てられたという経緯があります。しかし民主党内でも保守派議員の反発や懸念の声が上がり、難しい状況が続きました。

初会合と政策の位置づけ

岡田克也議員が会長に就任し、初会合が開催された際、彼は「これまでの主張に責任を感じ、この法案の実現に向けて党がまとまって進めていくべき」と発言しました。彼にとって、この問題は民主党としての長年の政策であり、悲願であったのです。また岡田の会長就任は、当時の党代表小沢一郎の意向が大きく影響していたとも言われています。

在日韓国人への支持

2008年には小沢氏が韓国を訪問し、その際に韓国大統領から在日韓国人に地方参政権を与えるよう求められました。これは、在日韓国人団体からの強い要望によるものであり、民主党としても成し遂げたいと考えられる一つの大きな機会でした。一方で、北朝鮮系団体である朝鮮総連は、一貫してこの選挙権付与に反対しています。

提言内容と進展

2008年5月に発表された「永住外国人への地方選挙権付与に関する提言」では、対象者を「特別永住者」だけでなく「一般永住者」にまで拡大することや、相互主義を前提としないこと、地方選挙に限て選挙権を与えることなどが盛り込まれました。

議員の変化と影響

議員連盟の発足時には、65人の国会議員が参加していましたが、その後、参加議員の何人かは反対意見を示したり、引退によってメンバーが少なくなり、実質的な活動は低下しています。具体的には、民主党は2009年の総選挙時にこの問題をマニフェストから外し、また法務大臣である千葉景子が落選するなど、状況が厳しくなってきました。

最終的に議員連盟の状況は厳しさを増し、途中参加した議員の一部が反対に回るなど、綱渡りの活動が続いています。今後の行方に注目が集まる中、より広範な国民の賛同を得るための議論が求められています。

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