在阪民放ラジオ局京都中継局

在阪民放ラジオ局京都中継局の概要

在阪民放ラジオ局京都中継局は、かつて京都府京都市東山区に設置されていた中波ラジオ放送の中継局です。この中継局は、MBSラジオ、朝日放送ラジオ（ABCラジオ）、大阪放送（ラジオ大阪・OBC）の在阪民放ラジオ3社が共同で運用していました。

1997年4月1日に開局し、京都市内や大津市西部における都市型難聴対策や、海外からの電波混信対策を目的としていました。これは、当時、AMラジオの受信環境が悪化していた地域への対策として重要な役割を果たしました。この中継局は、NHK大分放送局と大分放送が佐伯ラジオ中継局設置時に共同開発した3波共用3重給電の技術を採用しており、効率的な電波送信を実現していました。

しかし、2023年7月28日、3社共同で免許更新の手続きを行わず廃局することを発表し、同年10月29日の放送終了をもって25年以上の歴史に幕を閉じました。廃局の理由は、以下の3点に集約されます。

1. 京都市内における電線地中化が大幅に進んだ結果、AMラジオの受信状況が大きく改善したこと。
2. 海外からの電波混信（スピルオーバー）が減少したこと。
3. FM補完中継局（ワイドFM）の開局により、京都市内でも良好な受信が可能になったこと。
4. インターネットラジオサービス「radiko」の普及により、聴取手段が多様化したこと。

これらの要因から、京都中継局は一定の役割を終えたと判断されました。

送信施設について

中継局は、京都市東山区今熊野総山町に位置していました。この場所には、かつて旧国鉄の京都無線中継局が存在していました。

2010年2月28日まではMBSが、同年3月14日まではABCが、AMステレオ放送を実施していましたが、親局での放送終了に伴い廃止されました。各社とも、開始当初は局名告知で京都中継局の所在地や出力をアナウンスしていませんでした。しかし、2014年8月からはABCが、ワイドFMを開始した2016年3月からはMBSとOBCもアナウンスするようになりました。

各社の組織変更について

ABCラジオは、2018年4月1日に認定放送持株会社である朝日放送グループホールディングスへの移行に伴い、旧：朝日放送株式会社から朝日放送ラジオ株式会社として分社化されました。MBSラジオも同様に、2021年4月1日に認定放送持株会社MBSメディアホールディングスへの移行に伴い、旧：株式会社毎日放送から株式会社MBSラジオへ分社化されました。

関連項目

この中継局に関連する項目として、以下のものがあります。

日本の放送送信所一覧
北日本放送高岡ラジオ中継局
CBCラジオ岐阜中継局
NHK京都ラジオ第1放送送信所

これらの情報は、放送業界の変遷や技術的な進歩を理解する上で参考になります。

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