地内島

地内島について

地内島（じないじま）は、東京都新島村に属する無人の島で、伊豆諸島の一部です。この島は新島の西、黒根港から約1.6キロメートルの位置に浮かんでいます。周囲の長さは約2.6キロメートルあり、岩礁から構成されています。特に、地内島は新島の黒根港の沖合に位置しており、この港は大型船の発着が可能です。このことから、地内島は黒根港を強い西風から守る重要な役割を果たしています。

地理的特徴

地内島は、流紋岩溶岩から成る地内島火山の一部であり、大平島やナダラ根、ナツハダなどの岩礁とともに形成されています。これらの岩礁は、元々は一つの溶岩円頂丘であったと考えられています。島全体は国立公園の特別保護地区に指定され、自然環境が保護されています。訪れる人々は、周囲の海を楽しむために釣りをすることがあります。

自然環境

かつて地内島は豊かな樹木で覆われていましたが、1934年から1969年の間に観光目的で移入された動物たちが植生に深刻な影響を与えました。具体的には、ヤギ、ウサギ、サル、シカがこの島に持ち込まれ、植生が著しく破壊されました。その結果、移入された動物たちには深刻な影響が生じました。ヤギは1981年までに全滅し、サルに関しても1998年には姿を消しました。シカは1985年に駆除されましたが、ウサギは1998年まで生息が確認されています。

さらに、1980年代頃には一部のシカが新島へ渡り、繁殖を続け、農作物に被害を与える害獣となりました。1998年の時点では、新島におけるシカの推定生息数は300頭に達していると言われています。

釣りと観光

地内島はその自然環境や海の美しさから、釣り愛好者や自然観察を楽しむ人々に訪れられることがあります。特に、島の東側にはソフトコーラルが群生しており、海中生物の多様性を楽しむことができます。

しかし、無人島であるため、訪れるには新島を拠点にする必要があり、観光インフラは整っていません。そのため、訪れる際は十分な準備と注意が必要です。自然保護の観点からも、訪問者は環境保全に留意し、植物や動物に対する配慮を持って行動することが求められます。

まとめ

地内島はその美しい自然環境と独自の地理的特徴から、特に珍しい無人島として価値があります。訪れる者には釣りや自然観察を通じて、貴重な体験が待っていますが、島の保護のためにも責任を持った行動が求められます。

もう一度検索