地域安全学会
一般社団法人地域安全学会は、地域社会が抱える安全問題に対し、生活者の視点に立ちながらその解決と安全性の向上に寄与することを目的として設立された日本の学術団体です。英語名称はInstitute of Social Safety Scienece、略称はISSSです。1986年（昭和61年）12月にその産声を上げ、学術研究団体として活動を展開した後、2013年4月1日には一般社団法人へと移行しました。本学会は、日本学術会議協力学術研究団体としても認められています。
地域安全学会の設立は、都市防災分野における国際的な協力と研究交流を深める機運の中で生まれました。具体的には、1984年に米国カリフォルニア州パロアルトで開催された、日米の研究者による都市防災ワークショップ（第1回日米都市防災会議）が重要な契機となりました。この会議において、今後3～4年ごとに日米が交互にホストとなり、都市防災に関する会議を開催していくことが合意されました。日本側が1988年に清水市で迎える第2回会議を円滑に運営し、日本における都市防災研究の一層の推進を図るための受け皿となる組織として、地域安全学会が設立される運びとなったのです。
設立当初、本学会は災害研究に加え、犯罪に関する研究もその守備範囲に含めていました。災害分野の研究者からの呼びかけに応じ、犯罪学の研究者も学会活動に参加していました。しかし、後に防犯分野に特化した新たな学会が設立されたこともあり、本学会における防犯研究者の参加は次第に減少していきました。現在では、主に自然災害や事故など、広範な地域社会の「安全」に関する課題を中心に取り組んでいます。
設立からの主な沿革としては、以下のような出来事が挙げられます。
1986年：地域安全学会設立発起人会、および設立総会が開催される。
1987年：学会の情報伝達媒体として、ニューズレターの創刊号が発行される。
1991年：研究発表会の講演内容をまとめた講演梗概集が創刊される。
1999年：学術成果の主要な発表の場である論文集が創刊され、同時に優れた研究を表彰する論文賞・論文奨励賞が創設される。
2002年：日本学術会議の協力学術研究団体として正式に登録される。
2007年：研究成果の実践や技術開発を評価する技術賞が創設される。
2012年：年間を通して特に優れた論文と発表を表彰する年間優秀論文賞・優秀発表賞が設けられる。
2013年：一般社団法人としての認可を受け、新たな法人格での活動を開始する。
地域安全学会は、設立目的に沿って多岐にわたる活動を展開しています。その主要な内容は以下の通りです。
研究発表会: 会員の最新の研究成果を発表し、活発な学術交流を行う場として、定期的に開催しています。
論文集・梗概集の刊行: 研究発表会での成果をまとめた梗概集や、査読を経た学術論文を掲載する論文集を刊行し、研究成果の共有と発展に貢献しています。
災害調査および安全問題に関する研究の推進: 大規模災害の発生時には現地調査を行い、その知見を基にした研究を積極的に推進することで、実践的な安全対策の提言に繋げています。
公開シンポジウムの開催: 時宜を得た地域安全に関わるテーマを取り上げ、一般市民や関係者も参加可能な公開シンポジウムを開催し、社会的な課題についての議論を深めています。
図書出版、会報による広報活動: 地域安全に関する専門図書や啓発書の出版、また会報の発行などを通じて、研究成果や学会活動に関する情報を広く社会に発信しています。
自治体や企業への講師派遣と防災活動支援: 地方自治体や企業の依頼に応じ、防災・安全対策に関する専門家を講師として派遣したり、具体的な防災・減災活動への支援を行ったりすることで、地域社会の安全向上に直接的に貢献しています。
本学会の運営は、歴代の会長によって率いられてきました。以下に主な歴代会長を示します。
伊藤滋（1986年度）
片山恒雄（1987年度 - 1988年度）
村上雅也（1989年度）
梶秀樹（1990年度 - 1991年度）
高野公男（1992年度）
村上處直（1993年度 - 1994年度）
亀田弘行（1995年度 - 1996年度）
濱田政則（1997年度 - 1998年度）
熊谷良雄（1999年度 - 2002年度）
林春男（2003年度 - 2004年度）
翠川三郎（2005年度 - 2006年度）
山崎文雄（2007年度 - 2008年度）
重川希志依（2009年度 - 2011年度）
宮野道雄（2012年度 - 2013年度）
立木茂雄（2014年度 - 2015年度）
糸井川栄一（2016年度 - 2017年度）
* 目黒公郎（2018年度 - ）
地域安全学会は、今後も生活者の視点を第一に、学術研究の成果を社会に還元することで、より安全で安心できる地域社会の実現に貢献していくことを目指しています。
設立の背景と沿革
地域安全学会の設立は、都市防災分野における国際的な協力と研究交流を深める機運の中で生まれました。具体的には、1984年に米国カリフォルニア州パロアルトで開催された、日米の研究者による都市防災ワークショップ（第1回日米都市防災会議）が重要な契機となりました。この会議において、今後3～4年ごとに日米が交互にホストとなり、都市防災に関する会議を開催していくことが合意されました。日本側が1988年に清水市で迎える第2回会議を円滑に運営し、日本における都市防災研究の一層の推進を図るための受け皿となる組織として、地域安全学会が設立される運びとなったのです。
設立当初、本学会は災害研究に加え、犯罪に関する研究もその守備範囲に含めていました。災害分野の研究者からの呼びかけに応じ、犯罪学の研究者も学会活動に参加していました。しかし、後に防犯分野に特化した新たな学会が設立されたこともあり、本学会における防犯研究者の参加は次第に減少していきました。現在では、主に自然災害や事故など、広範な地域社会の「安全」に関する課題を中心に取り組んでいます。
設立からの主な沿革としては、以下のような出来事が挙げられます。
1986年：地域安全学会設立発起人会、および設立総会が開催される。
1987年：学会の情報伝達媒体として、ニューズレターの創刊号が発行される。
1991年：研究発表会の講演内容をまとめた講演梗概集が創刊される。
1999年：学術成果の主要な発表の場である論文集が創刊され、同時に優れた研究を表彰する論文賞・論文奨励賞が創設される。
2002年：日本学術会議の協力学術研究団体として正式に登録される。
2007年：研究成果の実践や技術開発を評価する技術賞が創設される。
2012年：年間を通して特に優れた論文と発表を表彰する年間優秀論文賞・優秀発表賞が設けられる。
2013年：一般社団法人としての認可を受け、新たな法人格での活動を開始する。
主な活動内容
地域安全学会は、設立目的に沿って多岐にわたる活動を展開しています。その主要な内容は以下の通りです。
研究発表会: 会員の最新の研究成果を発表し、活発な学術交流を行う場として、定期的に開催しています。
論文集・梗概集の刊行: 研究発表会での成果をまとめた梗概集や、査読を経た学術論文を掲載する論文集を刊行し、研究成果の共有と発展に貢献しています。
災害調査および安全問題に関する研究の推進: 大規模災害の発生時には現地調査を行い、その知見を基にした研究を積極的に推進することで、実践的な安全対策の提言に繋げています。
公開シンポジウムの開催: 時宜を得た地域安全に関わるテーマを取り上げ、一般市民や関係者も参加可能な公開シンポジウムを開催し、社会的な課題についての議論を深めています。
図書出版、会報による広報活動: 地域安全に関する専門図書や啓発書の出版、また会報の発行などを通じて、研究成果や学会活動に関する情報を広く社会に発信しています。
自治体や企業への講師派遣と防災活動支援: 地方自治体や企業の依頼に応じ、防災・安全対策に関する専門家を講師として派遣したり、具体的な防災・減災活動への支援を行ったりすることで、地域社会の安全向上に直接的に貢献しています。
歴代会長
本学会の運営は、歴代の会長によって率いられてきました。以下に主な歴代会長を示します。
伊藤滋（1986年度）
片山恒雄（1987年度 - 1988年度）
村上雅也（1989年度）
梶秀樹（1990年度 - 1991年度）
高野公男（1992年度）
村上處直（1993年度 - 1994年度）
亀田弘行（1995年度 - 1996年度）
濱田政則（1997年度 - 1998年度）
熊谷良雄（1999年度 - 2002年度）
林春男（2003年度 - 2004年度）
翠川三郎（2005年度 - 2006年度）
山崎文雄（2007年度 - 2008年度）
重川希志依（2009年度 - 2011年度）
宮野道雄（2012年度 - 2013年度）
立木茂雄（2014年度 - 2015年度）
糸井川栄一（2016年度 - 2017年度）
* 目黒公郎（2018年度 - ）
地域安全学会は、今後も生活者の視点を第一に、学術研究の成果を社会に還元することで、より安全で安心できる地域社会の実現に貢献していくことを目指しています。
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