地域研究コンソーシアム
地域研究コンソーシアム（Japan Consortium for Area Studies、略称：JCAS）は、日本国内において地域研究に携わる多種多様な研究・教育機関、学術団体、さらには市民活動団体などによって組織された連合体です。学術分野としての地域研究の発展を促し、その成果を広く社会に還元することを使命としています。
このコンソーシアムは、2004年に国内の主要な地域研究拠点が中心となって設立されました。具体的には、北海道大学スラブ研究センター（現在のスラブ・ユーラシア研究センター）、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所、京都大学東南アジア研究所（現在の東南アジア地域研究研究所）、そして人間文化研究機構国立民族学博物館地域研究企画交流センター（民博地域研）の四機関が設立準備において重要な役割を果たしました。発足当初、事務局は民博地域研内に置かれていましたが、2006年には京都大学地域研究統合情報センター（現在の京都大学東南アジア地域研究研究所内）へと移転しました。
運営体制は、加盟組織の中から選出される幹事組織の構成員が理事および運営委員を務める形式をとっています。理事会がコンソーシアム全体の活動方針を決定し、運営委員会が日常的な事業計画の実行を担当しています。運営委員会の下には部会や研究会などが設けられ、それぞれの専門分野や課題に応じた活動を展開しています。2023年3月現在、100を超える様々な組織が加盟しており、地域研究分野における国内最大規模のネットワークを形成しています。
JCASの活動は多岐にわたりますが、大きく分けて「特定地域の理解を深める基礎研究」と「現代社会が直面する課題への学術的なアプローチ」の二つの方向性があります。これらの活動は、「地域研究の設計」「地域研究の実施」「学界との連携」「社会への還元」「活動内容の発信」という五つの柱に基づいて推進されています。
「地域研究の設計」においては、研究企画、情報資源の整備、そして地域研究方法論の探求が行われています。多様な研究組織や個々の研究者をつなぎ、新たな研究プロジェクトを生み出す企画立案や、研究に必要な多様な素材や情報の収集・共有、そしてフィールドワークから文献研究まで、地域研究に用いられる様々な手法に関する研究会活動などが行われています。
「地域研究の実施」の中心となるのは、加盟組織の枠を超えた共同での研究活動です。毎年開催される年次集会シンポジウムでは、その時々の重要なテーマが取り上げられ、活発な議論が行われています。また、将来を担う若手研究者（博士後期課程大学院生や助教など）の独自の企画によるワークショップやセミナーの開催を支援する「次世代支援ワークショップ」の公募を定期的に実施し、新しい研究の芽を育んでいます。
「学界との連携」では、日本学術会議や地域研究に関連する学会との協力関係を築き、共同で研究活動を進めています。学会と連携したシンポジウムやパネル企画などを共同で開催することで、地域研究の知見を広め、他の学術分野との交流を深めています。
「社会への還元」は、地域研究の成果を社会の課題解決に役立てるための重要な取り組みです。特に、自然災害や紛争発生時における人道支援との連携に重点が置かれており、過去にはインド洋地震津波や東ティモール、スーダン、ペルー、フィリピン、スマトラ島沖地震など、様々な被災地や紛争地における調査や支援活動への研究者派遣、あるいはこれらの経験を踏まえたシンポジウム開催などを行ってきました。地域研究者が持つ専門知識や地域に関する詳細な知見は、こうした現場での活動において貴重な貢献をしています。
「活動内容の発信」は、コンソーシアムの取り組みを広く知らしめるために行われています。ウェブ上のポータルサイトを構築し、イベント情報や公募、出版物に関する情報を集約・発信しています。また、メールマガジンを定期的に配信し、最新の情報を提供しています。さらに、和文の学術雑誌である『地域研究』を年2回刊行しており、質の高い研究論文や評論を発表することで、地域研究の新たな知見を社会に提供しています。この雑誌は、かつて『JCAS Review』として刊行されていたものを引き継いでいます。加えて、優れた地域研究活動やその発展に貢献した個人・団体に対して、コンソーシアム賞を授与しています。
これまでの歴史の中で、2004年の発足から始まり、メールマガジンの開始（2005年）、運営体制の移行と事務局移転（2006年）、地域研究方法論研究会の設置（2007年）、部会の再編（2010年）といった重要な変遷を経て、組織としての活動基盤を強化してきました。歴代の会長、運営委員長、事務局長といった役員が、それぞれの時期においてリーダーシップを発揮し、コンソーシアムの発展を牽引しています。幹事組織には、大学の研究所・センター、学会、NGOなど多様な組織が名を連ね、JCASの多角的な活動を支えています。
地域研究コンソーシアムは、学術的な深求と社会的実践を結びつけるハブとして、日本の地域研究のさらなる発展と社会への貢献を目指し、活動を続けています。
このコンソーシアムは、2004年に国内の主要な地域研究拠点が中心となって設立されました。具体的には、北海道大学スラブ研究センター（現在のスラブ・ユーラシア研究センター）、東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所、京都大学東南アジア研究所（現在の東南アジア地域研究研究所）、そして人間文化研究機構国立民族学博物館地域研究企画交流センター（民博地域研）の四機関が設立準備において重要な役割を果たしました。発足当初、事務局は民博地域研内に置かれていましたが、2006年には京都大学地域研究統合情報センター（現在の京都大学東南アジア地域研究研究所内）へと移転しました。
運営体制は、加盟組織の中から選出される幹事組織の構成員が理事および運営委員を務める形式をとっています。理事会がコンソーシアム全体の活動方針を決定し、運営委員会が日常的な事業計画の実行を担当しています。運営委員会の下には部会や研究会などが設けられ、それぞれの専門分野や課題に応じた活動を展開しています。2023年3月現在、100を超える様々な組織が加盟しており、地域研究分野における国内最大規模のネットワークを形成しています。
JCASの活動は多岐にわたりますが、大きく分けて「特定地域の理解を深める基礎研究」と「現代社会が直面する課題への学術的なアプローチ」の二つの方向性があります。これらの活動は、「地域研究の設計」「地域研究の実施」「学界との連携」「社会への還元」「活動内容の発信」という五つの柱に基づいて推進されています。
「地域研究の設計」においては、研究企画、情報資源の整備、そして地域研究方法論の探求が行われています。多様な研究組織や個々の研究者をつなぎ、新たな研究プロジェクトを生み出す企画立案や、研究に必要な多様な素材や情報の収集・共有、そしてフィールドワークから文献研究まで、地域研究に用いられる様々な手法に関する研究会活動などが行われています。
「地域研究の実施」の中心となるのは、加盟組織の枠を超えた共同での研究活動です。毎年開催される年次集会シンポジウムでは、その時々の重要なテーマが取り上げられ、活発な議論が行われています。また、将来を担う若手研究者（博士後期課程大学院生や助教など）の独自の企画によるワークショップやセミナーの開催を支援する「次世代支援ワークショップ」の公募を定期的に実施し、新しい研究の芽を育んでいます。
「学界との連携」では、日本学術会議や地域研究に関連する学会との協力関係を築き、共同で研究活動を進めています。学会と連携したシンポジウムやパネル企画などを共同で開催することで、地域研究の知見を広め、他の学術分野との交流を深めています。
「社会への還元」は、地域研究の成果を社会の課題解決に役立てるための重要な取り組みです。特に、自然災害や紛争発生時における人道支援との連携に重点が置かれており、過去にはインド洋地震津波や東ティモール、スーダン、ペルー、フィリピン、スマトラ島沖地震など、様々な被災地や紛争地における調査や支援活動への研究者派遣、あるいはこれらの経験を踏まえたシンポジウム開催などを行ってきました。地域研究者が持つ専門知識や地域に関する詳細な知見は、こうした現場での活動において貴重な貢献をしています。
「活動内容の発信」は、コンソーシアムの取り組みを広く知らしめるために行われています。ウェブ上のポータルサイトを構築し、イベント情報や公募、出版物に関する情報を集約・発信しています。また、メールマガジンを定期的に配信し、最新の情報を提供しています。さらに、和文の学術雑誌である『地域研究』を年2回刊行しており、質の高い研究論文や評論を発表することで、地域研究の新たな知見を社会に提供しています。この雑誌は、かつて『JCAS Review』として刊行されていたものを引き継いでいます。加えて、優れた地域研究活動やその発展に貢献した個人・団体に対して、コンソーシアム賞を授与しています。
これまでの歴史の中で、2004年の発足から始まり、メールマガジンの開始（2005年）、運営体制の移行と事務局移転（2006年）、地域研究方法論研究会の設置（2007年）、部会の再編（2010年）といった重要な変遷を経て、組織としての活動基盤を強化してきました。歴代の会長、運営委員長、事務局長といった役員が、それぞれの時期においてリーダーシップを発揮し、コンソーシアムの発展を牽引しています。幹事組織には、大学の研究所・センター、学会、NGOなど多様な組織が名を連ね、JCASの多角的な活動を支えています。
地域研究コンソーシアムは、学術的な深求と社会的実践を結びつけるハブとして、日本の地域研究のさらなる発展と社会への貢献を目指し、活動を続けています。
もう一度検索
【記事の利用について】
タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。
【リンクついて】
リンクフリーです。