地域空域予報中枢

地域空域予報中枢（Regional Area Forecast Centre; RAFC）は、世界空域予報中枢（World Area Forecast Centre; WAFC）が作成した広域的な気象情報を、それぞれの管轄地域内の各国・地域気象機関へと中継・配信する役割を担う、地域における中核的な気象機関です。このRAFCは、世界気象機関（WMO）によって指定および設置されており、2011年時点では世界全体で11ヶ所が活動しています。

RAFCの主な役割と機能

RAFCの主な役割は、WAFCが作成した大規模な気象データ、例えば高層の風や気温の予報といった情報を、各地域の気象機関がより詳細な局地予報を作成するための基盤として提供することです。これにより、各国や地域の気象機関は、広範囲にわたる一貫性のある気象情報に基づいた、精度の高い予報業務を行うことができます。

世界のRAFC一覧

現在、以下の11ヶ所がRAFCとして指定されています。

RAFCカイロ (エジプト気象局)
RAFCダカール（セネガル国立気象局）
RAFCナイロビ (ケニア気象局)
RAFCラスパルマス (スペイン気象庁)
RAFCニューデリー (インド気象局)
RAFCブエノスアイレス (アルゼンチン国立気象局)
RAFCブラジリア (ブラジル国立気象研究所)
RAFCマイアミ (アメリカ国立気象局)
RAFCウェリントン (ニュージーランド気象局)
RAFCモスクワ (ロシア水文気象環境監視局)
RAFCフランクフルト (ドイツ気象局)

これらのRAFCは、それぞれの地域を担当し、航空気象やその他の気象予報に不可欠な情報を提供しています。

日本におけるRAFCの歴史

過去には、日本にも東京RAFC（気象庁が担当）が存在し、航空用気象無線模写放送（JMJ）を通じて気象情報を配信していました。しかし、2001年3月1日の放送をもってこの東京RAFCは廃止され、その任務は世界空域予報中枢（WAFC）に統合・引き継がれました。この統合により、日本の航空気象予報はよりグローバルな枠組みの中で行われるようになりました。

RAFCとWAFCの関係

RAFCとWAFCは、それぞれ異なる役割を担いながらも密接に連携しています。WAFCはグローバルな気象データを収集・分析し、広範囲な気象予報を作成する役割を担い、RAFCはその情報を受け取り、各地域に特化した形で配信します。この連携により、世界中の航空業界をはじめとする各分野は、より正確かつ信頼性の高い気象情報を利用できるようになっています。

関連項目

世界空域予報中枢

RAFCは、グローバルな気象情報ネットワークの重要な一環として、安全で効率的な航空運航を支援するために不可欠な存在です。その活動は、世界中の気象予報の精度向上に大きく貢献しています。

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