地方競馬招待競走

地方競馬招待競走と中央競馬招待競走：中央・地方競馬交流の歴史

1970年代、中央競馬と地方競馬の間には交流がほとんどありませんでした。しかし、1973年、中央競馬が地方競馬招待競走を創設したことで、状況は一変します。この競走は、全国の地方競馬から選抜されたサラブレッドが競うオープン特別競走として、中央競馬の東京競馬場で行われました。翌1974年には、地方競馬の大井競馬場が中央競馬招待競走を開催。こちらは重賞競走として位置づけられ、中央競馬と地方競馬の所属馬が競い合いました。

これらの招待競走は、中央競馬と地方競馬の交流を深める上で大きな役割を果たしました。地方競馬所属馬にとって、中央競馬の舞台で実力を試せる貴重な機会となり、中央競馬ファンにとっても地方競馬のレベルの高さを認識するきっかけとなりました。毎年交互に開催されるようになったこれらの競走は、日本教育テレビやラジオ関東で中継されるなど、大きな注目を集めました。

特に、地方競馬招待競走は、オープン特別競走ながら、回次が付けられるなど、地方競馬にとって格別の意味を持つ競走でした。1973年から1975年、そして1979年にはサラブレッド系旧3歳以上、1977年と1981年から1985年にはサラブレッド系旧4歳以上の馬が出走資格を得ていました。芝1800メートルの競走は、地方競馬のサラブレッドたちの潜在能力の高さを示す場となりました。一方、中央競馬招待競走は、ダート1800メートルの競走として開催されました。第1回、第3回から第6回はサラブレッド系旧4歳以上、第2回はサラブレッド系旧3歳以上の馬が出走資格を持ち、中央競馬の馬たちが地方競馬の舞台で競う姿は、多くの競馬ファンの心を掴みました。

しかし、1981年に中央競馬にジャパンカップが創設され、1983年から地方競馬所属馬の出走が認められるようになると、地方競馬招待競走と中央競馬招待競走の存在意義は薄れていきます。優勝賞金も、当初の1500万円から2000万円へと引き上げられましたが、新たな競走の登場によって、その役割は徐々に終焉を迎えることになります。そして、1985年、両競走は廃止されました。

これらの招待競走は、中央競馬と地方競馬の交流において重要な役割を果たしましたが、時代の流れと共にその役割を終えました。しかし、両競走の歴史は、中央競馬と地方競馬の融合と発展の歴史の一部として、今も競馬ファンの記憶に刻まれています。その後、オールカマーと帝王賞が、それぞれ地方競馬招待競走と中央競馬招待競走の役割を受け継ぐ形となりました。これらの競走は、競走馬や関係者にとって、大きな目標であり、競馬界の発展に貢献し続けています。中央・地方競馬の交流の歴史を語る上で、地方競馬招待競走と中央競馬招待競走は、欠かせない存在と言えるでしょう。

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