地球最終戦争ロボット・ウォーズ

概要

『地球最終戦争ロボット・ウォーズ』（原題: Robot Wars）は、1993年 4月28日にアメリカ合衆国で公開された実写特撮による巨大ロボット映画です。前作『ロボ・ジョックス』を手がけたスタッフ陣によって製作されましたが、ストーリーや世界観、登場人物において『ロボ・ジョックス』との直接的な繋がりはない、独立した作品です。一部では『Robot Jox 2: Robot Wars』というタイトルで公開された記録も存在しますが（英語版WikipediaやIMDbなどを参照）、これはあくまで別作品であることを強調する形での紹介と見られます。本作の舞台は巨大ロボットによる戦争によって荒廃した未来世界ですが、邦題に含まれる「最終戦争」と呼べるほどの大規模な戦いの描写は劇中にありません。

ストーリー

物語は「メガロボット」が激突した大規模な戦争の爪痕が残る、荒廃した2041年の世界が舞台となります。この時代、地下活動を行うゲリラ組織「セントロ」が存在する一方で、平和利用された巨大ロボットも稼働しています。その一つが、サソリの姿をしたメガロボット「マラス2」で、都市「クリスタル・ヴィスタ」への観光客輸送任務に就いていました。しかし、視察に訪れたアジア同盟のワー・リー将軍によって、マラス2は乗客もろともジャックされてしまいます。
マラス2のパイロットであったノース連盟のドレイク大尉は、部下のスタンピー、そして偶然乗り合わせていた考古学者のリーダと共に、この事態に立ち向かうことになります。彼らはクリスタル・ヴィスタの地下に、人型をした別のメガロボット「メガ1」が眠っているのを発見。これを新たな力として、将軍が操るマラス2との壮絶なロボット戦に挑むこととなります。

製作とスタッフ

本作はフルムーン・エンタテインメントが製作、特撮パートはデイヴィッド・アレン・プロダクションが担当しています。監督を務めたのはアルバート・バンド。製作とストーリー原案は息子のチャールズ・バンドが手がけ、脚本はジャクソン・バーが担当しました。音楽はデイヴィッド・アーカンストーンが作曲・編曲・プロデュースを行い、オーケストレーションはコスティア・エフィモフが担当。撮影はアドルフォ・バルトリ、編集はマーガレット＝アン・スミスがそれぞれ務めました。特撮スーパーバイザーはデイヴィッド・アレンです。スタントコーディネーターはチノ・ビナモ。

キャスト

主要キャストには、主人公であるノース連盟のパイロット、ドレイク大尉をドン・マイケル・ポールが演じました。考古学者のリーダ役にはバーバラ・クランプトン、ドレイクの部下スタンピー役にはジェイムズ・ステイリーが配されています。物語の鍵を握る悪役、ワー・リー将軍を演じたのはダニー・カメコナで、彼は前作『ロボ・ジョックス』にもマツモト博士役で出演していました。その他、アニー役でリサ・リナ、チョウ・シン役でユウジ・オクモトらが出演しています。

日本での展開

本作は、日本では劇場公開は見送られました。初めて国内でリリースされたのは、2001年 6月22日のDVD発売でした。発売元は株式会社クリエイティブアクザ、販売元はパイオニアLDC株式会社（品番: PIBF-7163）でした。このDVDには、アメリカ版予告編と約12分間のメイキング映像が特典として収録されていますが、日本語吹替音声は含まれていません。画面サイズは、当時の一般的なテレビと同じ縦横比3:4のスタンダードサイズでした。

サウンドトラック

本作のオリジナル・サウンドトラック盤CDは、映画公開と同年の1993年にアメリカのムーンストーン・レコーズより発売されました。収録時間は約54分で、全16曲が収められています（品番: 28096-5102-2）。これはAmazon.comなどで現在も入手可能であり、英語版Wikipediaにも関連する記事（“Robot Wars (soundtrack)”）が存在します。

興味深いトリビア

監督のアルバート・バンドは、メイキング映像でのインタビューによると、当初は息子のチャールズ・バンドと共同で監督する予定でしたが、チャールズが突如姿を消したため、単独で監督を務めることになったそうです。
日本盤DVDパッケージの背表紙には、なぜか本作とは別の映画『ジャンクウォーズ2035』に登場する巨大ロボットの写真が使用されています。さらに興味深いことに、実はその『ジャンクウォーズ2035』のロボットに頭部パーツを追加したものが、本作に登場する人型メガロボット「メガ1」として流用されています。

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