地産

株式会社地産とは

株式会社地産は、1951年に竹井博友によって設立された不動産会社「竹井産業」を前身とする企業です。1965年に株式会社へ改組し、「株式会社地産」に商号を変更しました。渋谷に本社を構え、ビジネスホテルチェーン「チサンホテル」やゴルフ場「チサンカントリークラブ」の運営など、多岐にわたる事業を展開していました。

事業拡大とグループ形成

地産は、ゴルフ場開発を皮切りに事業を拡大し、ホテル、マンション、オフィスビルなどの不動産事業を幅広く展開しました。また、積極的に企業買収を行い、地産グループを形成しました。最盛期には、東洋観光興業（現・オリックス不動産）、エルエムフーズ、平田紡績などを傘下に収め、1990年にはグループ売上高約723億7,700万円を記録しました。

バブル崩壊と経営破綻

しかし、バブル期に竹井博友が地産の債務保証を利用して投機に走ったことが、多額の債務を生み出す原因となりました。また、光進事件で仕手グループの資金源となっていたことが発覚し、竹井自身も所得税法違反で逮捕され、実刑判決を受けました。さらに、住宅金融専門会社（住専）への多額の不良債権も抱えていたことが、経営を悪化させる要因となりました。2002年、後を継いだ竹井博史社長のもと、1,800億円以上の債務とスキャンダルによる信用失墜が重なり、会社更生法の適用を申請し、負債総額3,207億円で倒産しました。

経営破綻後の事業再編

経営破綻後、アメリカの投資ファンドであるローンスターが支援企業となり、地産の事業は分割されました。ホテル事業は、チサンホテルを統括していたユニゾンホテルアンドリゾーツ社が買収され、ローンスター傘下となりました。ゴルフ場事業は、パシフィックゴルフグループ社が設立され、資産管理が行われることになりました。その後、2011年にはパチンコ機器メーカーの平和がPGMホールディングスを買収し、ローンスターに代わる新たな所有者となりました。

現在の状況

株式会社地産の登記上の存続会社は、PGMホールディングス傘下の資産管理会社「PGMプロパティーズ」となっています。ホテル事業は「ソラーレ ホテルズ アンド リゾーツ」として、現在も日本国内で70以上のホテルを運営しており、「チサンホテル」のブランドも引き続き使用されています。

地産とのかかわりのあった企業

徳間書店: 地産の創業者である竹井博友が創業し、後に竹井の友人である徳間康快が引き継ぎました。
致知出版社: 地産の竹井博友が創業しました。
埼玉新聞: かつて地産の竹井博友が経営していました。
平田紡績: 地産が買収した企業で、後にヒラボウ、そしてOakキャピタルと社名が変更されました。

まとめ

株式会社地産は、かつて多角的な事業展開を行っていた企業でしたが、バブル崩壊後の経営悪化により倒産しました。しかし、その事業は再編され、現在はそれぞれの分野で事業が継続されています。地産の歴史は、バブル経済の盛衰と、その後の日本経済の変遷を象徴する出来事の一つと言えるでしょう。

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