地租

地租の歴史と変遷

地租は、日本の土地を対象とした租税で、明治6年（1873年）に制定されました。この制度は、近代日本の国税の中で重要な役割を果たしましたが、1947年に地方税とされ、その後1950年に廃止され、新たに固定資産税が設けられることとなりました。

地租改正の背景と導入

江戸時代、日本の田畑貢納制は物納が主流で、税の基準や税率は地域ごとに異なっていました。国家の安定的な財源確保を目的として地租改正が行われ、1873年7月28日に地租改正法が施行されました。この法律では、従来の田畑貢納制度を廃止し、土地の収益を基にした新しい租税として地租が導入されました。

地価の3%を金納する方式が採用され、収穫米から必要経費を差し引いた金額を基に地価が算定されました。しかし、地租改正実施の際、旧来の高額な納税が引き継がれてしまったこともあり、激しい反発が起こり、各地で地租改正反対一揆が発生しました。

地租軽減運動とその後の動き

地租改正に伴い、農民たちは高額な負担を強いられたため、地租軽減を求める運動が活発化しました。1877年には、自由民権運動と結びついた地租軽減を求める運動がありましたが、運動は自由民権運動の衰退と共に低迷しました。

1890年からは、帝国[[議会]]設置後の民党による政府の財政政策批判に伴い、具体的な地租軽減の手法が議論されました。しかし、政府は強い反発を示し、成果が得られないまま進行しました。日清戦争を経て、地主の負担が相対的に軽くなる一方、政府は地租を引き上げる動きも見せました。

地租法と地方税への移行

1910年には地租減税が行われましたが、その後も地租は国税の中で次第に減少し、最終的には地方税とされる流れが進みます。1931年に新たな地租法が施行され、税率は一律3.8%とされましたが、実際にはその後の経済状況により税率は頻繁に変更されました。

1947年、地租法は廃止され、地租は地方税に移譲されました。その後、1950年にシャウプ勧告を基にした税制改正が行われ、新たに固定資産税が導入されることになりました。

結論

地租の導入から廃止にかけて、日本の社会や経済に大きな影響を与えました。地租改正は政府にとっては必要な財源確保の手段であったものの、農民にとっては重い負担となり、その後の土地に関する税制の変遷に繋がりました。

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