地積測量図

地積測量図とは

地積測量図は、一筆または数筆の土地の面積を法的に確定した図面であり、不動産登記において重要な役割を果たします。不動産登記令に基づき、土地の表題登記、地積更正、分筆登記などを申請する際には、この図面の添付が義務付けられています。

地図や地図に準ずる図面が広範囲な土地の位置関係を示すのに対し、地積測量図は一筆ごとの詳細な図面です。測量や計算に関する情報が含まれており、筆界（土地の境界）に関する最も精密な情報を提供します。

地積測量図の機能

地積測量図には、主に以下の機能があります。

土地形状の正確な復元: 図面から土地の正確な形状を再現できます。
面積計算: 土地の正確な面積を計算するための基礎データとなります。
現地特定と位置関係把握: 現地での土地特定や、隣接する土地との位置関係の把握に役立ちます。
境界復元: 筆界点を現地で特定し、境界を復元するための重要な情報となります。

地積測量図は法務局に保管されており、誰でも閲覧や写しの交付を請求できます。ただし、すべての土地に地積測量図があるわけではありません。

地積測量図の概要

不動産登記令第2条3号では、地積測量図は「一筆の土地又は数筆の土地の地積に関する測量図」と定義されています。不動産登記規則（平成17年法務省令第18号）により、地積測量図は土地所在図と同様に一筆ごとに作成され、原則として250分の1の縮尺で作成されます。

地積測量図には、以下の事項が記録されます。

地番区域の名称
方位
縮尺
当該地の地番と隣接地の地番
地積とその求積方法
筆界点間の距離
平面直角座標系の番号または記号
基本三角点に基づく筆界点の座標値
境界標の表示（境界点に設置された石杭や金属標など）
測量年月日

基本三角点に基づく筆界点の座標値を記録する場合は、その符号、基本三角点の名称、座標値も記録します。

地積測量図の重要性

土地の境界は通常、境界標によって示されますが、境界標が古い場合や不正確な場合があります。そのような場合、地積測量図から判断して境界を推定できることがあります。境界は、境界標、地積測量図、公図、地形、占有状況などを総合的に判断されます。

災害などで広範囲に境界標が失われた場合、地積測量図があれば、一定の精度で各境界点を復元し、元の土地形状を復元できます。地積測量図がないと、精度の高い境界復元は困難です。このため、国土調査法による地籍調査や登記所備付地図作成作業では、地積測量図やそれに類する面積計算書の作成が重視されます。

不動産登記規則第85条2項によると、地積更正登記や土地滅失登記、換地処分が行われた場合には、従前の地積測量図を閉鎖する必要があります。しかし、古い地積測量図も土地の沿革を知る上で重要な資料であり、安易に廃棄すべきではありません。実際には、閉鎖された地積測量図も法務局で保管されていれば閲覧・写しの請求は可能です。ただし、画像データ化されていないため、インターネットでの請求ができないという課題があります。

国土調査法による地籍調査や土地区画整理法による換地が行われた地域では、地積測量図に類する書類は市町村などに保管され、法務局には保管されないことが多いです。古い場合には、市町村にも保管されていないこともあり、筆界情報の管理が課題となっています。理論的には、範囲内のすべての土地の地積測量図があれば、それらを繋ぎ合わせて地図を作成できますが、その逆は不可能です。

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外部リンク

* 境界確認・確定と地積測量図の精度

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