坂井田俊

坂井田 俊

（さかいだ しゅん）

1984年3月10日、神奈川県海老名市に生まれる。日本の映画監督として活動している。

来歴

高校生だった頃、身近な同級生が起こした衝撃的な事件や、同時期に社会を騒がせた通り魔事件、ナイフを使った凶悪事件などが多発したことに強い影響を受け、自身の中に「共振」する感情を抱く。これらの出来事への向き合い方を模索する中で、北野武監督の映画『その男、凶暴につき』を観賞。現実で事件を起こすのではなく、映画という虚構の মাধ্যমを通じて自身の内にある感情や社会の歪みを表現する手法があることを知り、映画製作への道を志すようになる。

高校卒業後、バンタン映画映像学院（現在のバンタンデザイン研究所映像デザイン学部）に進学し、3年間にわたり映像制作の技術と表現を学ぶ。卒業制作として、高校時代に感じた「共振」を昇華させた短編映画『壊したいおもちゃ』を制作。通り魔殺人を犯した少年と、心に殺人願望を秘めた少年の姿を描いたこの作品は、第9回CHOFU SHORT FILM COMPETITIONで奨励賞を受賞し、シネアスト・オーガニゼーション・大阪（CO2）のオープン・コンペ部門に入選するなど、一定の評価を得た。その後も犯罪をテーマにした短編映画『太陽は知らない』、『怪物はここにいる』などを意欲的に制作するが、これら後期の短編作品は映画祭での上映機会を得られなかった。調布映画祭で審査員を務めていた映画監督の女池充にアドバイスを求め、その助言を基に短編『悪魔がきた』を完成させる。これらの初期短編4作品は注目を集め、2011年1月には下北沢トリウッドで「坂井田俊監督特集」として3週間にわたり特別上映された。

特集上映を訪れていた俳優の川瀬陽太と出会い、2011年、川瀬を主演に迎えた初の長編映画『僕は人を殺しました』の製作に着手する。この作品は自身にとって初の長編であり、プロの俳優を起用した初めての経験となった。完成した映画は翌2012年に下北沢トリウッドで公開された。

長編映画発表以降、坂井田は主にホラー系のオリジナルビデオ作品において構成・演出を手がけるようになり、『監死カメラ』シリーズなどの制作に参加している。また、sora tob sakanaのミュージックビデオのディレクションなども担当している。しかし、2024年現在に至るまで、長編映画の新作は発表されていない。

作風

初期から一貫して、人間の内面にある暴力性や社会の暗部、犯罪行為をテーマにした作品を得意とする。特に台詞に頼らず、映像そのもので物語や感情を伝えることを重視しており、人間の行動や暴力描写を克明に描くことに特化したスタイルが見られる。初期の作品群に顕著に見られるように、社会で実際に起きた事件や現象に対する個人的な「共振」を表現の原動力としている。

監督作品

映画

『僕は人を殺しました』（2011年製作、2012年公開）

短編映画

『乙女は羨む夢を見る』（2003年）
『壊したいおもちゃ』（2005年）
『太陽は知らない』（2007年）
『怪物はここにいる』（2008年）
『悪魔がきた』（2010年）

オリジナルビデオ（構成・演出・監督等）

『本当の犯罪現場を撮ってしまった』（2012年）
『ほんとうに映った!監死カメラ5 - 7』（2013年 - 2014年）
『【閲覧注意】放送禁止動画』（2014年）
『本当にあった呪いの映像』（2014年）
『本当にあった呪いの映像 闇』（2014年）
『本当にあった怖い投稿映像』（2014年）
『本当にあった怖い投稿映像 超恨み』（2015年）
『もっとあなたの知らない世界 絶望編』（2015年）
『見てはいけない怨念動画 呪い編』（2015年）

ミュージックビデオ

sora tob sakana「魔法の言葉」（2016年）

参加作品（出演、撮影協力など）

映画『ゾンビデオ』（2011年）- 出演
映画『74歳のペリカンはパンを売る。』（2017年）- 撮影協力
短編映画『洞波羅蜜多』（2008年）- 協力
短編映画『1万円マン』（2012年）- 撮影

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