女池充

女池充（めいけ みつる）

1969年5月11日生まれの日本の映画監督、脚本家、俳優。
ピンク映画界で独自の地位を確立し、「ピンク七福神」の一人として知られています。

経歴

映画業界への足がかりは、ピンク映画の女性監督、浜野佐知の助監督でした。
その後、アウトキャストプロデュースで「ピンク四天王」の一人、サトウトシキに師事し、上野俊哉と共に助監督として経験を積みました。

1996年にはVシネマ『監禁』で監督デビュー。
1997年の『白衣いんらん日記 濡れたまま二度､三度』で劇場映画監督デビューを果たし、ピンク大賞で新人監督賞を受賞しました。
2002年の映画『ハレンチ・ファミリー 寝ワザで一発』では監督賞を受賞し、同年のピンク大賞で5位にランクインしました。

2004年からは文化庁の芸術家在外研修員としてニューヨークへ留学し、海外での見聞を広げました。

作風

女池監督は、七福神の中でも特に実験的で型破りな作風で知られています。

2003年の映画『花井さちこの華麗な生涯』（公開題名『発情家庭教師　先生の愛汁』）は、その代表例と言えるでしょう。
コーヒーショップで中東の男と交渉中に北朝鮮人に撃たれ、超天才になってしまうコールガールの物語は、他に類を見ない奇抜な設定です。
アメリカの核兵器を発射する機能を持つジョージ・W・ブッシュの指のゴムモデルへの執拗な調査が繰り広げられるなど、アナーキーな内容も特徴です。

当初は65分のピンク映画として公開されましたが、難解な内容から原題に戻し、90分版として再編集したところ、国際的な評価を得て20以上の映画祭で上映され、2006年にはアメリカでも劇場公開されました。

この作品の制作過程は、ドキュメンタリー映画『ピンクリボン』（藤井謙二郎監督）で詳細に描かれています。
通常3～4日で撮影を終えなければ赤字になると言われるピンク映画業界において、女池監督はしばしば撮影日程が超過し、借金を抱えてしまうことが描かれています。
『花井さちこの華麗な生涯』も準備段階から遅延が続き、穴埋めのためにベテラン監督の池島ゆたかが急遽新作を撮ることになったエピソードや、田尻祐司ら同輩の監督たちが応援に駆けつけ、最終的に14日間の撮影期間を要したことなどが明かされています。

受賞歴

ピンク大賞トップテン
1997年 7位：白衣いんらん日記 濡れたまま二度､三度
1998年 8位：ぐしょ濡れ美容師 すけべな下半身
2002年 5位：ハレンチ・ファミリー 寝ワザで一発
2004年 10位：濃厚不倫 とられた女
ピンキーリボン賞
2004年 パールぴんく賞：濃厚不倫 とられた女

主な監督作品

監禁（1996年、オールイン・エンタテインメント）※坂本太と共同監督
まるで再出発-(STOP USING)SEX AS A WEAPON+(JUST LIKE)STARTING OVER-（1998年8月、新東宝）※原題『ぐしょ濡れ美容師 すけべな下半身』
多淫OL 朝まで抜かないで（2000年10月、新東宝）
スワッピング・ナイト 危険な戯れ（2000年、新東宝）
不倫妻 情炎（2000年3月、新東宝）
ハレンチ・ファミリー 寝ワザで一発（2002年3月、新東宝）
発情家庭教師 先生の愛汁（2003年10月、新東宝）
団地の奥さん、同窓会に行く（2004年6月、新東宝）
濃厚不倫 とられた女（2004年10月、新東宝）
花井さちこの華麗な生涯（2005年11月、アルゴ・ピクチャーズ）※原題『発情家庭教師 先生の愛汁』
ビタースイート Bitter Sweet（2005年12月、アルゴ・ピクチャーズ）※原題『濃厚不倫 とられた女』

関連人物

* ピンク四天王

もう一度検索