坂井虎山

坂井虎山: ジャパンの儒学者

坂井虎山（さかい こざん）は、江戸時代末期に活躍した儒学者です。寛政10年（1798年）に生まれ、嘉永3年9月6日（1850年10月11日）に亡くなりました。彼の本名は華、字は公実、通称は百太郎です。虎山または臥虎山人という号を持ち、門人たちからは文成先生と呼ばれていました。彼の墓は広島にある本照寺にあります。

生い立ちと学問の道

坂井虎山は、広島藩の儒学者の家に生まれました。祖父の代から続く安芸国広島藩の儒学者の家系であり、父は東派と名乗っていました。幼い頃から広島藩校学問所、現在の修道中学校・高等学校で、名高い学者たちから学びました。文政8年（1825年）には、その学問所の教授に就任しました。

彼の学問の進展には、頼山陽との交流が重要な役割を果たしました。文政12年（1829年）の春、彼は京都の水西荘を訪れ、初めは山陽の友人とも言えるような関係から徐々に弟子となりました。山陽からの刺激を受け、篠崎小竹、斎藤拙堂、野田笛浦と共に、文章の四名家として名を馳せるようになります。後には、山陽が亡くなった後、その史論や文章の才能で関西一と称されるまでに至ります。

江戸藩邸に滞在中には、松崎慊堂や佐藤一斎とも親しい交友関係を築き、彼自身の家塾『百千堂』は多くの門人を抱えるまでに成長しました。さらには、大正5年（1916年）に正五位を追贈される栄誉も受けました。

性格と逸話

虎山の性格には、独自の信念に従う強さがありました。彼が生まれた際、広島にいた頼山陽は、赤ん坊の目が鋭く、声が力強い様子を見て将来の才能を予見しました。友人である僧の清狂が編纂した『今世名家文鈔』の中には、彼が持つ友人に対する忠義や意見をしっかり述べる姿勢が伺えます。

また、彼は自らの詩の内容に対しても厳しく、篠崎松竹から寄せられた序文について異議を唱える手紙を送ったこともあるほどです。このような姿勢が彼の強い個性を際立たせています。さらに、儒学への信念が強かった彼は、特に仏教に対しては批判的でした。弟子を通じて、自身の故郷である四国の仏教の影響を排除し、「正学」を薦めるよう訴えることもありました。

文章の特徴と評価

虎山の文章は、山陽によって「精博」と称され、その内容は博く取って精髄を残すものであると評価されました。彼の詩は、当時流行していた宋詩とは異なり、個性や感覚の強調が少なく、古典的なスタイルを保っていました。これは彼の思想や感性が色濃く反映されたもので、多くの後進の学者や学生に影響を与えました。

著作

• - 『杞国策』
• - 『論語講義』
• - 『虎山詩文集』

坂井虎山は、その生涯にわたって多くの著作を残し、日本の儒学の発展に貢献しました。彼の思想や教えは、今なお多くの人々に受け継がれています。

もう一度検索