坂出港

坂出港：四国北東部の物流拠点

坂出港は、香川県坂出市に位置する、歴史と近代性を併せ持つ重要な港湾です。備讃瀬戸の中央に位置する地理的優位性を活かし、江戸時代より塩の積出港として栄え、その後、近代的な商港へと発展を遂げました。現在では、関税法、港湾法、港則法の規定に基づき、それぞれ開港場、重要港湾、特定港に指定されており、さらに香川県により防災機能強化港としても指定されています。

歴史と発展

坂出港の歴史は古く、1831年（天保2年）、帆船の錨地として沖湛甫が築造されたことに始まります。その後、明治時代には塩田の拡大と製塩業の盛んな発展、讃岐平野で生産された麦の加工品の輸出増加に伴い、港湾施設の整備が加速しました。1928年（昭和3年）から西運河や埋立地などの改修工事が行われ、商圏は朝鮮半島、台湾、北海道、樺太にまで拡大しました。1937年（昭和12年）には中央突堤の建設が始まりましたが、第二次世界大戦により中断、1963年（昭和38年）2月に完成しました。1946年（昭和21年）の南海地震では西岸壁が崩壊する大きな被害を受けましたが、約3年で復旧を果たしました。

1965年（昭和40年）から1972年（昭和47年）にかけては、坂出港沖合いの浅瀬だった番の州に大規模な臨海工業団地が造成されました。川崎重工業、三菱化学、四国電力など多くの企業が進出し、香川県の工業の中核を担うようになりました。また、製塩技術の近代化により、坂出市沿岸に広がっていた塩田は1971年（昭和46年）年末に全面廃止されました。塩田跡地は埋立てられ、新たな岸壁や工業用地として整備され、現在の物流拠点としての基盤を築いています。

港湾施設と機能

坂出港の港湾区域は、1953年（昭和28年）に決定され、その後、1968年（昭和43年）、1969年（昭和44年）と変更、拡大されました。現在、1631haの広大な面積を有しています。主な公共岸壁としては、中央埠頭、西岸壁、東運河岸壁、林田地区岸壁、松ヶ浦岸壁などがあり、それぞれの岸壁には様々な船舶に対応できるバースが整備されています。林田地区の岸壁には、定期RORO船（東京港まで上り便）やクルーズ客船も寄港可能です。

2006年（平成18年）の実績では、総計15246隻、2036万総トンの船舶が入港し、取扱貨物量は25,235,008トンに達しました。内航商船と外航商船、輸出入貨物、内貿貨物など、多様な船舶と貨物を扱い、四国北東部の物流を支えています。

未来への展望

坂出港は、歴史と実績に基づいた堅牢な基盤と、最新の港湾施設を備えています。今後も、地域の経済発展に貢献するため、港湾整備、防災対策、環境保全など、様々な課題に取り組みながら、四国北東部の物流拠点としての役割を担い続けていくでしょう。瀬戸大橋開通後も、そのアクセス性を活かした発展が期待されます。

年表（抜粋）

重要な出来事を中心に、坂出港の歴史を年表で示します。詳細な年表は、参考文献をご参照ください。

1831年（天保2年）：沖湛甫築造
1948年（昭和23年）：関税法による開港
1951年（昭和26年）：重要港湾指定
1965年（昭和40年）-1972年（昭和47年）：番の州臨海工業団地造成
1971年（昭和46年）：塩田全面廃止
2021年（令和3年）：定期RORO船就航（東京港まで上り便）

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