讃岐平野

讃岐平野：四国を代表する平野の自然と歴史、そして人々の営み

讃岐平野は、四国地方の北東部、瀬戸内海と讃岐山脈に挟まれた讃岐半島の大部分を占める広大な平野です。香川県を代表するこの平野は、その豊かな自然と歴史、そして現代社会における役割を知る上で、非常に重要な存在となっています。

讃岐平野の地理的特徴

北に向かってなだらかに傾斜する讃岐平野は、全体として平坦な地形が広がっていますが、所々に小さな丘や山が点在する変化に富んだ景観を見せています。瀬戸内海式気候の影響で年間を通して降水量が少なく、農業用水確保のため、数多くのため池が造られてきました。中でも、空海によって整備された満濃池は、日本最大級の灌漑用ため池として知られ、古くからこの地域を支えてきた水利システムの象徴となっています。

讃岐平野は、面積にして約692.90km²を有し、香川県全体の面積の約37％を占めます。しかし、完全に連続した平野ではなく、大小の山々によって、「大川平野」、「高松平野」、「丸亀平野」、「三豊平野」の4つの主要な平野に区分されています。そのため、「讃岐平野」という名称は、これら4つの平野を包括する総称的な意味合いも持ち合わせています。

河川と地形

讃岐平野を流れる河川は、多くが讃岐山脈を源流とし、下流では扇状地を形成しています。代表的な河川としては、馬宿川、湊川、香東川、綾川、土器川、財田川、柞田川などがあり、これらは大粒の礫を運びながら平野を流れ下ります。一方、与田川、番屋川、津田川、鴨部川、新川、春日川、本津川、大束川、金倉川、高瀬川などは、花崗岩地帯や溶岩台地を源流とし、下流部では異なる地形を形成しています。これらの河川の多くは二級河川以下であり、一級河川は土器川のみです。

讃岐平野の地形は、花崗岩が風化し、讃岐岩質安[[山岩]]が丘陵として残った後に、河川の堆積作用によって形成された沖積平野です。この地殻変動と堆積作用によって、かつては島であった場所が陸続きとなり、屋島や五色台などの山々が形成されました。平野を流れる河川は、通常は地下水として流れ、大雨の際に水かさを増すという特徴があります。

人と讃岐平野

古くから人が定住してきた讃岐平野では、五色台で産出する讃岐岩（カンカン石、サヌカイト）が石器として利用されてきました。古代の条里制の遺構も数多く残されており、歴史的な土地利用の様子を垣間見ることができます。瀬戸内海式気候による少雨のため、ため池が盛んに作られ、灌漑農業が発展しました。海岸部では製塩業が栄え、その跡地は現在では工場用地として利用され、工業地帯を形成しています。内陸部では散村集落が形成され、農業が盛んに行われています。現在も高松市を中心とした経済圏が広がり、四国地方最大の経済中心地のひとつとして発展を続けています。

まとめ

讃岐平野は、その地理的特徴、歴史、そして人々の営みによって形作られてきた、四国地方を代表する平野です。豊かな自然と歴史、そして現代産業が共存するこの地域は、今後もその発展を続け、四国の発展に貢献していくでしょう。

もう一度検索