坂口主税

坂口主税は、1899年（明治32年）4月20日に生まれ、1981年（昭和56年）4月27日に82歳で亡くなった日本の政治家です。衆議院議員を2期、熊本市長を2期務めました。彼の政治家としての道のりは、地方行政から国政、そして再び地方行政へと、多岐にわたる経験に彩られています。

生い立ちと初期のキャリア

坂口は熊本県玉名郡賢木村（現在の南関町）の出身です。1917年（大正6年）に熊本県立玉名中学校を卒業後、1923年（大正12年）には東京帝国大学法学部政治学科を卒業しました。大学卒業後は台湾総督府に勤務し、高雄や台北の各州で知事を務めるなど、行政官としてのキャリアを積みました。その後、台湾新報社の社長に就任し、ジャーナリズムの世界にも足跡を残しました。

政界への進出

帰国後、坂口は故郷の賢木村長に就任し、地方政治の世界に身を投じました。1947年（昭和22年）の第23回[[衆議院議員総選挙]]では、旧熊本1区から民主党公認で立候補し、初当選を果たしました。その後、1948年（昭和23年）にも再選し、衆議院議員として2期を務めました。しかし、1952年（昭和27年）の第25回[[衆議院議員総選挙]]では、改進党の候補者として立候補しましたが、落選しました。その後、熊本市助役に就任し、再び地方行政に携わることになります。

熊本市長としての活躍

1956年（昭和31年）には熊本市長選挙に立候補し、熊本城天守再建を公約に掲げて初当選しました。熊本市長として、彼は市民の期待に応え、1960年（昭和35年）には再選を果たしました。在任中、特に注目される業績は、鉄骨・鉄筋コンクリート造の熊本城天守閣の再建です。1960年9月22日には、その落成式が行われました。熊本城は、市民にとって大きなシンボルであり、その再建は坂口市長の大きな功績として称えられています。

その後の活動と晩年

1963年（昭和38年）1月4日、坂口は市長を辞職しました。同年1月29日には熊本県知事選挙に無所属で立候補しましたが、自由民主党公認の現職候補に敗れ、落選しました。その後、公職を退き、1981年4月27日に生涯を閉じました。

坂口主税は、台湾での行政経験、国会議員としての活動、そして熊本市長としての業績を通じて、日本の政治史にその名を刻みました。特に、熊本城天守閣の再建は、彼が市民から深く敬愛された理由の一つです。彼の生涯は、地方政治と国政の両方で貢献した、多様な経験を持つ政治家の典型例と言えるでしょう。

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