坂口雅久

坂口 雅久

1951年11月15日に東京都で生まれた坂口雅久（さかぐち まさひさ）氏は、アマチュア野球界で内野手として長きにわたり活躍し、引退後も指導者、解説者として貢献している人物です。

高校、大学時代

立教高等学校に進学した坂口氏は、内野手としてプレーしました。同期には好投手として知られる岡持和彦投手がおり、彼の力投もあってチームは1969年の夏の県大会で準決勝まで駒を進めましたが、川越工業高校に惜しくも敗れて甲子園出場は叶いませんでした。また、1学年下には後に大学・社会人でチームメイトとなる村山修一氏（外野手）がいました。

高校卒業後、立教大学へ進学。当時の東京六大学野球リーグにおける立教大学は、優勝からは遠ざかる低迷期にあり、坂口氏が在学中の最高成績は3位にとどまっていました。しかし、その中で坂口氏は二塁手として傑出した能力を発揮。1972年の東京六大学リーグでは春季、秋季と連続でベストナインに選出される活躍を見せ、同年には第1回日米大学野球選手権大会の日本代表にも選ばれました。大学時代は、同期のエース中村憲史朗氏（後に日本石油で活躍）を支え、後輩の村山修一氏と共に打線の中心としてチームを牽引しました。

社会人野球での活躍

大学を卒業後、坂口氏は松下電器に入社し、社会人野球の世界でも引き続き二塁手としてプレーしました。松下電器では、一塁手の松下勝実氏や遊撃手の山口円氏といった実力者たちと共に、強力な打線を組み上げ、チームの中心選手として活躍。また、チームには速球派として知られるエース山口高志投手（後に阪急ブレーブス）がおり、彼を擁して数々の主要大会に臨みました。

1974年に創設された第1回社会人野球日本選手権大会では、初戦となる2回戦で三協精機と対戦しましたが、相手投手・大塚喜代美氏に完封負けを喫しました。1977年の都市対抗野球では、チーム史上初めて準々決勝に進出するという快挙を達成しましたが、日本鉱業佐賀関の藤沢公也投手（後に中日ドラゴンズ）に抑え込まれ、惜しくも準決勝進出はなりませんでした。同年秋の社会人野球日本選手権大会では、エース福間納投手（後に阪神タイガース）の活躍もあり準決勝まで勝ち進みましたが、電電四国との試合で0対1と、またしても完封負けを喫し、決勝進出を逃しました。

坂口氏の社会人野球キャリアにおけるハイライトの一つは、1979年の第6回社会人野球日本選手権大会でした。この大会では、長谷部優氏や原邦彦氏といった投手陣の安定したピッチングに支えられ、チームは快進撃を見せ、決勝まで勝ち上がりました。決勝戦では住友金属に敗れはしたものの、見事な準優勝という成績を残しました。この大会での活躍が認められ、坂口氏は大会の優秀選手に選ばれています。

引退後の活動

現役を引退した坂口氏は、松下電器の社業に就きました。その傍ら、野球界との関わりも継続。全日本チームのコーチなどを歴任し、指導者としての経験を積みました。そして2004年から2009年にかけては、母校である立教大学の野球部監督を務め、後進の指導にあたりました。

立教大学監督退任後も野球への情熱は冷めやらず、現在はJ SPORTSやSky-Aといったスポーツ専門チャンネルを中心に、大学野球や社会人野球の解説者として活動しています。選手、指導者、そして解説者として、アマチュア野球の振興に多角的に貢献し続けています。

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