坂本昭 (政治家)

坂本 昭について

坂本 昭（さかもと あきら、1913年7月24日 - 1978年12月2日）は、日本の著名な医師であり政治家である。高知県選挙区から参議院議員を務めたことでも知られ、また高知市の市長としても多くの功績を残した。彼の生涯は医療の向上と地域社会の発展に捧げられた。

経歴

坂本昭は1930年に高知県立城東中学校を卒業し、その後旧制高知高等学校を経て、1937年には東京帝国大学医学部を卒業した。大学卒業後は附属病院で副手として勤務し、次第に専門的な医療活動に従事していく。特に1938年には北支方面の軍医部で伝染病対策に従事し、戦後も地域医療の向上に寄与する。

1946年には終戦—レンパン島から復員し、地元高知市で救援活動にあたるなど、地域社会に貢献した。特に昭和南海地震の後は救援隊を指揮して被災者を支援し、その姿勢は多くの人々に感銘を与えた。1947年には国立高知療養所の初代所長に就任し、1956年まで従事して結核対策に尽力する。

1950年には医学博士の学位を取得し、医学における研究活動も進める。特に結核対策への貢献が評価され、1952年には高知新聞文化賞が授与された。また，附属准看護学院の学院長として医療従事者の育成にも尽力した。

政治家としての活動

1956年には日本社会党から参議院議員に当選し、高知県選挙区を代表する議員として全国的な舞台でも活動を開始する。市民の声を大切にしながら、医療や福祉の向上を目指し様々な政策に取り組んだ。

1967年には高知市長に選ばれ、以降1978年まで3期にわたり市長を務める。その間、地域の発展に寄与するため、多くの施策を打ち出し、住民との対話を重視した政治を行った。また、高知県市長会や全国市長会の役員としても積極的に活動し、地方自治体の役割を強化するための活動を行った。

著書

坂本昭は医療や地域づくりに関する著述も行っており、いくつかの著書がある。1956年には『忘れ得ぬ人々』を出版し、その後も『人間でよかった』や『自由と民権：坂本昭エッセイ集』など、地域の医療や自治体についての考察を展開している。これらの著書は彼の思想や地域社会に対する情熱を伝えるもので、多くの人々に影響を与えた。

晩年とLegacy

坂本は晩年、健康を害しながらも高知市長として地域を支える。1978年の10月に病気のため市長を辞任し、同年12月に結腸癌により65歳で死去した。彼の死後も、坂本昭医学研究奨励基金が設立され、彼の名を冠した事業は現在も続いている。地域医療、福祉、政治における彼の貢献は今も多くの人々に受け継がれている。

もう一度検索