坂本眞一 (漫画家)

坂本眞一（さかもと しんいち、1972年 - ）は、大阪府出身の日本の漫画家です。1990年に『キース!!』で週刊少年ジャンプのホップ☆ステップ賞に入選し、デビューを果たしました。

初期には原哲夫を彷彿とさせる筋骨隆々のキャラクターによる格闘漫画を描いていましたが、新田次郎の小説を題材にした『孤高の人』を機に、リアルな描写へと作風を変化させました。この作品は第14回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞し、注目を集めました。

2013年からは『週刊ヤングジャンプ』で『イノサン』を連載開始。その後、『グランドジャンプ』で続編の『イノサンRouge』を連載しました。これらの作品では、耽美的な表現も取り入れています。

2012年には、漫画家のインタビューネット配信番組「漫画元気発動計画」に出演し、ジャンプ時代やアシスタント時代のエピソード、そして『孤高の人』の裏話などを語りました。

執筆スタイル

坂本は、『イノサン』以前はアナログとデジタルを併用していましたが、使用していたペン先が入手困難になったことをきっかけに、『イノサン』の連載からは完全にデジタルでの作画に移行しました。

使用機材は、Cintiq 24HD（ワコム）、CLIP STUDIO PAINT EX（セルシス）、Tab-Mate Controller（セルシス）などで、デジタル作画のメリットとして、以下の点を挙げています。

道具の劣化がなく、常に安定した状態で作業できる。
素材を事前に作成・登録して再利用できる。
修正が容易にできる。
デッサンの修正が簡単になった。

キャラクターごとに素材を登録し、整理することで、キャラクターの確認にも役立てています。ただし、素材をスタンプのように使用すると絵が安っぽくなるため、シーンに合わせて描き足しや描き直しが必要となり、新しく描くよりも時間がかかる場合もあるそうです。

また、キャラクターの表情も、一度描いたものを保存し、新たに描いた表情と比較検討することで、より良い表現を追求しています。

作風

初期は筋肉隆々のキャラクターによる格闘漫画を描いていましたが、『孤高の人』以降はリアルな描写へと変化させました。さらに『イノサン』からは耽美な描写も加えるようになりました。

『孤高の人』では、筆ペンにインクをつけて描いていました。現在ではフルデジタルで制作しています。

また、『孤高の人』では、写植の文字を一部裏返しにして、精神の混乱を表現するという独特な手法を考案しました。

坂本の作品には、以下のような特徴的な表現が見られます。

大胆な比喩表現
別次元の表現（例：雪崩をトラックの車列で表現、民衆の歓声を津波で表現）
過去の話を現代的な描写で表現（例：18世紀の仏貴族を現代日本の女子高生で表現）

作品一覧

漫画

ブラッディ・ソルジャー（集英社ジャンプ・コミックス（短編集））
モートゥル・コマンドーGUY（集英社ジャンプ・コミックス全2巻）
にらぎ鬼王丸（原作：荒仁、集英社ヤングジャンプ・コミックス全5巻）
益荒王（集英社ヤングジャンプ・コミックス全7巻）
一撃（原作：田中誠一 増刊少年サンデー連載・未単行本化）
孤高の人（原案：新田次郎、原作：鍋田吉郎→高野洋、集英社ヤングジャンプ・コミックス全17巻）
イノサン（集英社ヤングジャンプ・コミックス全9巻）
イノサン Rouge（集英社ヤングジャンプ・コミックス全12巻）
#DRCL midnight children（集英社『グランドジャンプ』にて、2021年4号から連載）

イラスト

DEVIL'S DOOR（著：東山彰良、集英社ジャンプ ジェイ ブックス）

師匠・アシスタント

師匠：江川達也
アシスタント：夾竹桃ジン、古味慎也

出演

浦沢直樹の漫勉 neo（NHK Eテレ 2020年12月17日） - 『#DRCL midnight children』の制作過程を浦沢直樹と対談。

外部リンク

Shin-ichi Sakamoto (@14mountain) - Instagram
坂本眞一 (@14MOUNTAIN) - X（旧Twitter）
ジャンプスクエア・直撃インタビュー
坂本眞一、ポートレイトドキュメンタリー - YouTube

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