筆ペン

筆ペン

筆ペンは、本体にインクを内蔵した、毛筆を模した形状の筆記具です。手軽に筆の感触を味わえるため、書道やイラスト、手紙など、幅広い用途で利用されています。

概要

筆ペンの特徴は、筆先が太く、しなりがあることです。これにより、筆と同様に、線の太さや濃淡をコントロールできます。また、毛筆に比べて扱いが簡単で、手入れもほとんど不要です。筆先は、柔らかいフェルトペンタイプと、合成繊維などを用いた本格的な毛筆タイプがあります。

フェルトペンタイプ: 筆先がフェルトでできており、手軽に使えるのが特徴です。初心者にも扱いやすく、イラストや手紙などに適しています。
本格毛筆タイプ: 細い合成樹脂を束ねた筆先を使用しており、より本格的な書き心地を味わえます。中には、イタチの毛を使用した高級品もあります。

インクは、染料インクと顔料インクがあります。染料インクは、発色が良く、水に溶けやすいのが特徴です。顔料インクは、耐水性に優れ、長期保存に適しています。カートリッジ式のものが多く、インクの交換も簡単に行えます。

歴史

筆記具の歴史の中で、筆ペンは比較的新しい存在です。中世以降、筆と墨汁を携帯するために矢立が用いられていましたが、江戸時代後半には、発明家の国友藤兵衛が「御懐中筆」として、筆ペンのようなものを製作しています。

明治時代以降、鉛筆や万年筆が普及し、筆の使用は減少していきました。しかし、作家の谷崎潤一郎は、万年筆の書き味を嫌い、随筆『陰翳礼讃』で、「万年筆を昔の日本人が考案したならば、穂先を毛筆にしたであろう」と述べています。これは、筆ペンのアイデアを予見するものと言えるでしょう。

筆ペンが発明されたのは、1972年のセーラー万年筆による「ふでぺん」が最初です。その後、呉竹精昇堂（現：呉竹）が改良を重ね、筆ペンをヒット商品として育成しました。呉竹の筆ペンは、ニクソンショックによる円高でサインペン輸出計画が頓挫したことがきっかけとなり、サインペンの技術を応用して開発されたものです。一方、サインペンの元祖であるぺんてるは、1976年にナイロンの毛を使った本格毛筆タイプの筆ペンを発売しました。

種類

筆ペンには、様々な種類があります。筆先の素材、インクの種類、本体のデザインなど、それぞれに特徴があります。

筆先の種類: フェルトペンタイプ、合成繊維タイプ、イタチ毛タイプなどがあります。
インクの種類: 染料インク、顔料インク、水性インク、油性インクなどがあります。
本体のデザイン: スタンダードな形状のものから、 декоративные デザインのものまであります。

用途や好みに合わせて、最適な筆ペンを選びましょう。

関連項目

サインペン

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