坂本賞三

坂本賞三は、1926年10月29日に生まれ、2021年8月18日に逝去した日本の歴史学者です。広島大学の名誉教授であり、平安時代の歴史研究を専門としていました。

坂本は、中華民国（後の満洲）で生まれ、広島大学文学部を卒業後、同大学院を修了しました。1977年には、「王朝国家と王朝貴族の国政観」というテーマで文学博士号を取得しています。滋賀大学助教授、広島大学文学部助教授を経て、教授に就任し、1992年に定年退官しました。退官後は、神戸学院大学人文学部教授を務めました。

坂本の研究は、日本の王朝国家体制や摂関政治の実態、荘園制の成立過程など、平安時代の政治・社会構造を解明する上で重要な貢献をしています。特に、藤原頼通の時代に焦点を当て、摂関政治から院政への移行期における政治権力の変動や社会の変化を詳細に分析した研究は高く評価されています。

主な著書として、以下が挙げられます。

『日本王朝国家体制論』東京大学出版会, 1972
『日本の歴史 6　摂関時代』小学館, 1974
『荘園制成立と王朝国家』塙選書 塙書房, 1985.6
『藤原頼通の時代 摂関政治から院政へ』平凡社選書 1991.5

また、編著として『王朝国家国政史の研究』（吉川弘文館, 1987.3）があります。

坂本賞三は、長年にわたり平安時代の歴史研究に尽力し、多くの研究者や学生を育成しました。その学術的な業績は、日本の歴史学研究において重要な位置を占めています。

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