坂本重太郎

坂本重太郎について

坂本重太郎（さかもと じゅうたろう）は、1933年7月15日に北海道余市町で生まれ、2015年3月2日に81歳で亡くなった日本の外交官です。外務省において中南米局長や駐スペイン特命全権大使などの要職を歴任しました。

生い立ちと学歴

坂本氏は、余市町長の坂本角太郎を父に持ち、地元である北海道余市高等学校を卒業後、1957年に一橋大学法学部を卒業しました。その後、外務省に入省し、外交官としてのキャリアをスタートさせます。入省後にはスペイン語研修のため、2年間コロンビアに留学しています。

外務省でのキャリア

1972年には外務省中南米局中南米第二課長に就任、その後、1973年には外務大臣官房国際報道課長を務めました。在英国日本国大使館参事官を経て、1979年には外務省経済協力局政策課長、1981年には外務大臣官房総務課長に就任しています。総務課長時代には、情報調査局（現在の国際情報統括官組織）の新設に尽力しました。その後、経済協力開発機構政府代表部公使、駐パラグアイ特命全権大使を歴任し、1988年に外務省中南米局長に就任しました。

パナマ侵攻と異動

1989年のパナマ侵攻時、坂本氏は日本の外交姿勢が対米追従であると強く批判し、当時の栗山尚一事務次官と対立。その結果、1990年に中南米局長を退任し、局長経験者としては異例の駐ベネズエラ兼ガイアナ兼スリナム特命全権大使に左遷されるという異例の人事を経験しました。しかし、その後1994年には駐スペイン特命全権大使に任命されています。

退官後の活動

退官後は、社団法人日本外交協会理事長、財団法人海外日系人協会理事長、東京余市会会長、北海道余市高等学校同窓会東京地区代表、国際日系ネット協議会議長、横浜スペイン協会顧問、神戸港移民船乗船記念碑実行委員会副会長、荒川区顧問など、多岐にわたる要職を歴任しました。国際交流や日系人社会への貢献に尽力し、2008年には瑞宝重光章を受章しています。

その他の情報

坂本氏は、2015年3月2日に81歳で逝去されました。叙位は従三位です。

著作

坂本氏は、以下の著作を執筆しています。

『今後のわが国の経済協力の理念と方向（講演会録. 22. ）』財団法人国際開発センター、1980.8
「緊迫・混迷するパナマ情勢」（韮沢嘉雄と共著）世界経済評論（社団法人世界経済研究協会）. 32(5) 、1988.5
「中南米を見る座標軸と日本の中南米外交 (中南米が抱える諸問題と日本外交)」世界経済評論（社団法人世界経済研究協会）. 33(6) 、1989.6
「わが国災害医療のあけぼの」日本集団災害医学会誌. 4(1) (通号 5) 、1999.10

坂本重太郎は、外交官としてのキャリアを通じて、日本の外交に大きな影響を与え、退官後も国際交流の発展に貢献した人物でした。

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