坂田重次郎

坂田重次郎

坂田重次郎（さかた じゅうじろう、1869年12月24日 - 1919年11月26日）は、明治時代から大正時代にかけて活躍した日本の外交官です。外務省通商局長や在スペイン特命全権公使を歴任し、日本の外交に貢献しました。

生涯

坂田重次郎は、1869年（明治2年）に出雲国仁多郡（現在の島根県）で生まれました。1894年に高等商業学校（現在の一橋大学）を卒業後、1896年に高等文官試験（外交科）に合格し、外務省に入省しました。

高等商業学校在学中には、同級生の福田徳三（後に経済学者）とともに、学校からの旅費支給を受けて、栃木県、群馬県、長野県、新潟県、富山県、石川県、福井県を視察しました。この旅行での経験は、後の彼の活動に大きな影響を与えたと考えられます。

また、福田徳三が職を失い生活に困窮した際には、外務省の翻訳の仕事を斡旋するなど、友人としての厚い友情を示しました。

外交官補であった1898年には、アメリカ合衆国のフィラデルフィアなどで、後に海軍中将となる秋山真之と親交を深めました。

1904年に勃発した日露戦争では、外務省政務局で山座円次郎局長を補佐し、対露開戦外交や日露ポーツマス講和会議に携わりました。1905年には、在イギリス日本大使館の第二秘書官を務め、国際的な外交の舞台で活躍しました。

1911年には外務省通商局長に就任し、日本の貿易政策を推進しました。1917年には在スペイン国特命全権公使としてスペインに赴任しましたが、1919年11月26日にマドリードで逝去しました。彼の墓は東京の青山霊園にあります。

栄典

1916年（大正5年）10月30日には、その功績が認められ、従四位に叙せられました。

人物

坂田重次郎は、卓越した語学力と国際感覚を持ち合わせ、外交官としてその才能を発揮しました。また、人情に厚く、困っている友人を助けるなど、温かい人柄でも知られていました。

参考文献

紀田順一郎監修・解説『日本人物誌選集　第11巻』クレス出版、2008年。
外務省外交史料館日本外交史辞典編纂委員会『新版 日本外交史辞典』山川出版社、1992年。

坂田重次郎は、日本の外交史において重要な役割を果たした人物の一人です。彼の業績は、現代の日本外交にも影響を与え続けています。

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